教育学部研究紹介2019
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35志賀自然教育研究施設助教水みず谷たに 瑞みず希き【研究分野】森林生態学(とくに動物)【研究テーマ】野生動物の保護管理と被害対策/地域資源を活かした地域創生/ユネスコエコパークにおけるESD/SDGs これまで昆虫からツキノワグマまで、さまざまな動物や「ヒト」を対象に、自然保護分野や農林水産分野の行政推進に必要な調査や研究を行い、施策提言や企画を行ってきました。現在の中心テーマは、クマ大量出没を左右するドングリ類の豊凶予測技術の開発です。また地域の課題について、志賀高原ユネスコエコパークを活用した地域活性化や、ESD(持続可能な開発のための教育)の普及にも取り組んでいます。トキやコウノトリのように絶滅の危機に瀕している野生動物がいる一方、最近ではシカやイノシシなどの野生動物との軋轢が問題になっています。私たちは自然や野生動物と、どう関わっていけば良いのでしょうか? その答えはきっと、持続可能な社会づくりにもつながっているはずです。志賀自然教育研究施設 附属志賀自然教育研究施設(志賀施設)は、志賀高原を訪れる観光客には「信大志賀自然教育園」としても親しまれています。約1000haの亜高山帯針葉樹原生林をはじめ、池沼群や高層湿原、ダケカンバやシラカンバの二次林を有する一帯は、ユネスコエコパークの核心地域や国立公園特別保護地区に指定された、第一級の自然保護区域です。この志賀施設で開講される志賀実習(自然教育実習)は、半世紀以上の歴史を持つ伝統ある野外実習です。現在は必修科目「環境教育」の一部として、教育学部では1年生全員が受講しています。このように教育学部で自然教育を必修授業として位置づけている例は珍しく、豊かな自然環境に恵まれた信州にある大学ならではの特徴です。

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