経法学部_学部案内2019
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専門応用科目も専Answer 2公共経済学ファイナンス医療経済学ファイナンスの授業は、「ファイナンス理論」「ファイナンス応用」「確率過程論」から成り、オプションと呼ばれる「ある資産をあらかじめ決められた価格で買う権利」という金融取引の価格について学びます。「ファイナンス理論」ではBlack-Scholesモデルというモデルにおいてオプション価格を導くことを目標にします。ただし、実際の金融市場ではBlack-Scholesモデルの前提条件が成り立たないため、「ファイナンス応用」では理論をさらに発展させます。これらの理論は数学の一分野である確率論を必要とするので、「ファイナンス理論」と並行して「確率過程論」で確率論を学びます。Black-Scholesの理論は1970年代に発表され、その後ノーベル経済学賞を取った理論ですが、ファイナンス理論はその後も今も発展を続けています。病気になったときに医療機関で医師の治療を安心して受けられるのは、医療保険のおかげです。医療保険はどのような仕組みで、少子高齢化が進んでも継続できるのでしょうか?また医療保険は3割の負担で、安価に安心して受診できますが、保険は人々の行動を変化させたりしないのでしょうか?医療の値段は政府がすべて決めていますが、なぜそのようにするのでしょうか?医療機関がその値段設定の下で治療をすると、社会全体でのゆがみを発生させないでしょうか?さらに、なぜ地域医療の崩壊や医師不足や看護師不足などの問題が叫ばれるのでしょうか?医療経済学は、今述べたような問題を、経済学的なツール(インセンティブ)とデータに基づいて明らかにします。公共経済学では国や自治体の財政活動に焦点をあてながら、「政府の果たすべき役割」や「政策の望ましいあり方」について経済学の考え方を用いて明らかにします。政府は税金を集め、それを使って公共交通インフラや社会保障サービスなどを提供しています。我々の生活はこうした税制や社会保障制度などと密接に関わっていますが、公共経済学はこれらの仕組みに焦点をあてます。そして、政府の果たすべき役割を考えるとは、政府が市場経済に取って代わることを目指すものではなく、公共部門と民間部門が補完的な関係にあることを認めつつ、政府が取り組むべきことを明らかにすることです。また、そうした政府の役割を実現する上で、政策の望ましいあり方も考える必要があります。公共政策の設計は、その政策によって民間部門がどのように反応するか(経済学で学ぶ「誘因効果」)を理解することが欠かせません。公共政策を考える際に経済学を用いることの重要性もそこにあるのです。オプションの価格から株価の市場予測が分かる医療経済学を学び、医療は患者さんと医師の間に知識の差があることと、治療結果が不確実なため、複雑な制度となることがわかりました。経済学のツールで、その複雑さが患者さんや医療機関の行動を変え、当初の目的からそれてしまうことを把握できました。制度の隙間をついて得をする人・組織が出ることは、公平とはいえません。この問題点を客観的に分析し、誰もが安心して健康な生活を送れるよう改善策を提示できる力がついたと思います。倉島 奏美さん(応用経済学科 4年生)学生VOICE応用経済学科の専門応用科目5授業の専門性が違います。信州大学 経法学部大野 太郎 准教授信州大学 経法学部増原 宏明 准教授信州大学 経法学部都築 幸宏 准教授ボラティリティ・スマイルボラティリティ・スマイルと株価の将来の予想分布は、互いに変動可能市場が予想する株価の将来の分布

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