経法学部_学部案内2019
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「ビッグデータ」の時代と言われているように、現代社会には様々な種類のデータが大量にあふれています。しかし、この大量のデータから役に立つ情報を引き出すのは、簡単なことではありません。統計学の授業では、役に立つ情報を引き出すために、1)データをどのように収集すべきか、2)データをどのように整理すればよいか、3)データを使ってどのような推測・予測をすればよいか、といったことがらを中心に勉強します。皆さんは、AI(人工知能)が現代社会で重要な役割を担いつつあるのを知っていますね。統計学は、AIによるデータ分析の理論的な基礎になっています。AIによる分析を、そのまま受け入れるのではなく、その背後にある考え方を正しく理解することで、AIの「正しい」使い方を身につけることは、これから非常に大事になる素養だと思います。統計学刑法とは、犯罪と刑罰に関する法です。刑法の講義では、どのような行為に対して、どのような犯罪が成立するか(犯罪論)を学び、犯罪論の基礎知識を身につけます。実際に起こった刑事事件を題材に、判例の立場や、学説の対立を分析しながら、講義を進めます。理論の一貫性を重視して、体系化された犯罪論を学ぶうち、自然と法的思考力を培うことができます。現代社会では、多種多様な事件が発生しています。現時点では思いもよらない事件が、今後発生するかもしれません。刑法の講義を通じ、犯罪論の基礎的知識を身につけ、問題解決の論理を習得すれば、未知の事案をも解決し得る思考力を獲得することができるようになるでしょう。刑法マクロ経済学ミクロ経済学はあらゆる経済分析の土台です。温暖化防止のため自動車利用を減らすキャンペーンをしてもうまくいかないのに、ガソリン価格を上げれば一発で自動車利用が減る?待機児童が減らないのは、保育所の質を確保する規制が裏目にでている?これらは、ミクロ経済学が扱う典型的な社会問題です。この講義では、需要と供給の背後にある消費者や企業の意思決定を見える化し、売り買いに象徴される市場経済のしくみについて基礎的理解を深めます。そして、課税や価格規制の効果を分析し、公共部門が果たすべき役割や、環境問題における経済学の果たす役割など発展的トピックを扱い、社会問題に対して専門的意見がいえるようになることを目標とします。マクロ経済学は、「経済成長はどのような要因で起こるのか?」「そもそも経済成長とは何か?」「不況になったときに政府は、景気対策として何をしたらよいか?」「近年、先進諸国で経済格差が拡大している原因は何か?」など、一国の経済全体で起こる現象を分析する学問です。日本経済の先行きを理解するためにも、公務員試験などの資格試験を受験する際にも、マクロ経済学の知識は必要です。専門科目のマクロ経済学I・IIなどでは、こうした点を配慮し講義を行っています。また、ゼミは、各受講生が興味あるマクロ経済学に関連したテーマを選び、そのテーマを理解する上で重要な問いを立て、その問いをデータ分析によって明らかにするというスタイルで運営しています。ミクロ経済学立憲主義という言葉を聞いたことがありますか?立憲主義とは、憲法に従って政治を行わなければならないという考え方のことですが、そこでは基本的人権の保障や権力分立を内容として定めている憲法のことが考えられています。立憲主義や基本的人権や権力分立という言葉を聞いたことがある人も、憲法は私たちの生活から遠いもの、と思っているかもしれません。実は、憲法は、最高法規として、あらゆる法分野に関係をもっているので、私たちにも身近な法分野であると言えます。授業では、基本的人権を保障するために日本国憲法がどのような構造を有しているのかを一緒に考えていくことで、憲法の意外な身近さを感じてもらうことができると思います。憲法民法は、日常の身近な問題から企業の複雑な取引まで、私人(個人や企業)間の法律関係に広く適用される法律です。守備範囲が広い分、民法には、色々な場面に対応すべく「解釈の幅」が広く残されている条文が多く存在します。そこで、現代の新しい問題に遭遇したときには、こうした「解釈の幅」を活かして、問題をいかに解決すべきかを考えることになります。また、取引に関する現象には世界共通性があり、国内で問題とされていることが、国外でも問題となっていることはよくあります(例えば、約款の合理性をどのように確保するかという問題)。こうした現代的問題について国外での考え方にも触れながらあるべき解決方法を模索することで、より民法の面白さを感じてもらえると思います。民法4信州大学 経法学部赤川 理 准教授信州大学 経法学部濱田 新 講師信州大学 経法学部西村 直子 教授信州大学 経法学部椎名 洋 教授SpecialtySpecialty of Class総合法律学科の専門基礎科目応用経済学科の専門基礎科目二つの正規分布の区別が難しい場合(左)とやさしい場合(右)信州大学 経法学部青木 周平 准教授信州大学 経法学部栗田 晶 准教授※ほんの一例を 紹介します。※ほんの一例を紹介します。

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