人文学部_学部案内2020
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642016年卒業西村彰宏-松本地方事務所農地整備課2012年卒業2014年修士課程修了丸山沙織-飯田風越高校国語科教諭Graduates Career Choices and Messages私は大学・大学院ともに日本語学を専攻していました。修了した現在は, 国語の教諭として高校に勤めています。私が主として扱っていたのは, 現代語の文法でした。普段何気なく使用している言語であるからこそ, 客観的に見て説明のつかないことや, 自明とされていても実は根拠が明確でないこと等が, 多数あります。まずはこれに疑問を持つことが必要となります。そこから検証を積み重ねていくことで, 疑問はより鮮明な輪郭を持った研究のテーマとして自分の進む方向となっていきました。研究以外の場面であっても, 疑問を持ち, そしてそれを言葉にして答えに向かっていく姿勢は, これから生きていくにあたって必要なものであると言えます。私は現在, 教師としても, この「疑問を持つこと」を大切にしています。自分の疑問だけではなく, 生徒からも疑問を引き出し, そしてその疑問の答えをともに考えたり, 時にはヒントを与えたりしながら, 自明のことを自明とせず, 自身で抱いた疑問を自身で解決へと導けるよう出来る限り努めています。高校生の内にしか考えつかないことや疑問は多いはずです。それを大事に, 学び, そしてより深めていってほしいと思います。私は, 高校時代はこれといってやりたいこともなく, 試験の結果だけを見て大学を探していました。その中でオープンキャンパスの際に行き当ったこの信州大学人文学部が, 非常に自由度が高いという事に惹かれ, 進路を決めました。在学中は哲学・思想論での研究活動だけでなく, 音楽系のサークル活動やオーストラリアへの短期留学, インターンシップなど色々な事に関わるよう努力していました。これは, 私が「迷ったら実行する」という事をモットーにしていたからです。視野を広くもち, 積極的に関わる姿勢は価値あるものだと思いますし, これは大学での学問にも, 就職活動にも大きく影響するものだと思います。人文学部で(真剣に)学ぶ限り, 卒業するころには自ずからこうした積極性が身に付くと思います。私は現在長野県庁で働いています。大学で専攻した分野の知見が具体的に何かの役に立っているか, と問われると, まだはっきりしたことを言えません。しかし, 4年間の大学生活で培った経験は, 間違いなく, 仕事の根本的なスキルとして大いに役立ちます。「人文学部“なんか”にいったら就職できない」などと言う人もいますが, 積極的に学び, 行動すれば就職にも困らず, 一生モノの力が手に入ると私は思います。

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