人文学部_学部案内2020
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36Courses世界, 社会, 人間, 知識, 私, 心, そして愛……当たりまえで決まりきったものだと思い込んでいたことがらについて, 根っこのところから考えてみる。また, さまざまな角度から考えてみる。哲学・思想論分野に進んだ学生がやることは, これに尽きます。哲学するとは, つまりそういうことなのです。しかし, 徒手空拳でできることではありません。古今東西の思想や様々な学問的探究の方法に関する幅広い知見と, ものごとを明晰に考えて解りやすく表現する技能を, 地道に体得しながら, 徐々に進めるべきことです。そのために実際, ここでは, 多様な研究ジャンルに接し, テクニカルな思考の訓練に参加することができるようなカリキュラムが組まれています。意識的に視野を広げることも, 思考と表現の技能を磨くことも, けっして楽ではありません。けれども, これらをしっかりやった人は, 常識や権威に左右されることなく, 不公正や不合理, あるいは浅慮を鋭く指摘し, 有望な進路を模索できる人, ひとことで言えば, 強靱な批判力を備えた人になっているはずです。強靱な批判力は, それを持つ人にとっても, その周囲の人びとにとっても, 一つの大きな支えになることでしょう。̶芸術コミュニケーション分野は以下の3つのコンセプトを柱とした教育をおこないます。1 | 芸術はコミュニケーション!「芸術」は, 新しい感性でメッセージを発信する芸術家たちと私たちとのコミュニケーションであり, それらのメッセージを社会の中で実現していくことが文化の創造です。2 | キーワードは〈アートリテラシー〉音声言語によるコミュニケーションに言語運用スキルが不可欠なように, 芸術コミュニケーションには, 感性に依存する「芸術言語」や身体感覚に依存する「身体言語」の運用スキル, 〈アートリテラシー〉を学ばねばなりません。このアートリテラシーを獲得していくなかで, 多様な芸術言語を理解できるようになり, 芸術的感性は鍛えられ, 芸術家との双方向コミュニケーションに参加できる素養が形成されるのです。アートリテラシーの基礎を身につけた, 地域の芸術活動を推進する人材を養成することが目標です。3 | 〈ワークショップ〉を核としたカリキュラム––––––––––––––––––––哲学・芸術論コース––––––––––––––––––––¶哲学・思想論分野¶芸術コミュニケー ション分野

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