人文学部_学部案内2020
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21From Professors研究室から4 | From Professors 4疑問を持ったり考えたり,資料や本を読んで信州大学人文学部 歴史学コース 准教授豊岡康史 TOYO’OKA, Yasufumi様々な視点から考えてみたい。東洋史ってどんな学問なんですか?——日本の東洋史学は明治時代の社会のニーズに合わせて生まれた学問です。幕末に開国して, 東アジアとかもっと先の方にでていこうとするでしょう?その時に出ていった先のことがわからないと困る, 現地にはどんな社会が広がっているのか, どういう来歴で出来上がったのか, ということを知りたい。そういうニーズに答えるために出来たのが東洋史学です。そうすると, 「東洋」ってどこさ, という話になるんですけど, 西洋, つまり欧米でも日本でもないところは全部, ということになりますね。地球上の人口の6-7割くらいをカバーすることになります。そんな広い地域の古代から現代までを扱うわけなんで, 「これが東洋史学の正統な方法だ!」なんて話は出来ないわけです。いろんな地域の専門家が寄り集まってるのが東洋史学ですね。——先生がなぜ東洋史に進んで, 今の研究分野を始めたのか, っていう, その魅力みたいなものを教えて下さい。——うーん, べつに「東洋史」をやろう, みたいのはなかったんですよね, 最初は。中国の歴史の話は好きだったんですよ。三国志も読んだし, ゲームもやった。陳舜臣とか田中芳樹の中国史関係の小説とかが好きで。それで卒論のテーマ選ぶときに, とりあえず中国やろう, 指導教員の先生が18世紀・19世紀の̶豊岡̶豊岡

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