人文学部_学部案内2020
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From Professors18がないまま, やたらと暗記をすすめられるじゃないですか。英語は好きだったけど, 英文法の授業が大切だとは思えなかった。あ, 今は違いますよ。今なら, 英文法が大事だってことはよく分かります。それを教えてますから(笑)。——では, 『赤毛のアン』がきっかけだった, と。——そうですね。でも, もっと大きな出会いもあったんですよ, 高校のときに。トールキンの『指輪物語』が, 図書館の角の隅っこのところに眠っていたんです。赤い布製の本でね。それを手にとって…, ——はまっちゃった。——…とはならず, 最初は挫折しました(笑)。僕は, 高校のときは物理部にも所属する理系志望だったんです。友達の一人がアメリカから取り寄せたボードゲームをやってたりして, そのうち, RPGが僕らの間で流行しました。そこからですね。これって, 『指輪』の世界じゃん, って気づいたわけです。一度は挫折した『指輪』の世界にどっぷりとはまり, 最後は, 文系志望に変えてしまいました。——大学では, すぐに英語学への道を決められたんですか?——いや, 1年生の間はまだ専門が決まりません。決めあぐねて, 先輩などに相談すると, 「お前, もともとスペンサーの『妖精の女王』なんかに興味があったんじゃないのか。それなら慶應には高宮利行先生がいるぞ」と教えられ, 早速, 先生の研究室を訪ねました。——すごい行動力ですね。——研究室を訪ねて, もともと『赤毛のアン』に興味があったことなどを話しました。そしたら, すでに先輩の一人が卒論で『赤毛のアン』を扱おうとしていると教えられ, 「それなら, トールキンをやります」と言ったわけです。——専門を決めるって, 偶然の要素もありますね。——そうなんですよ。信州大学の学生さんにもよく言ってることですが, 1年生の̶伊藤̶伊藤̶伊藤̶伊藤̶伊藤

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