人文学部_学部案内2020
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17From Professors研究室から3 | From Professors 3言語と文学の境界を扱う学問、それが英語の文献学。信州大学人文学部 英米言語文化コース 教授伊藤盡 ITÓ, Tsukusu文学の醍醐味は、文献学でこそ、味わうことができる。英語学ってどういう学問なんでしょう?——英語学には, 二つあります。一つは英語の言語学(Linguistic), もう一つは文献学(Philology)です。——その二つはどういったものなんですか?——もし英語という言語を人間に喩えるならば, 言語学は, 英語を医学的に解剖することです。英語の皮膚組織を顕微鏡で見たり, 眼球の動きを観察したり,耳の構造, 内臓を細かく解明していく。一方, その人間がどこで生まれ, どういう本から影響を受けたのか, 交友関係, 昔どんな作文を書いたかを知る方法もあります。文献学とは, 英語をそんな総合的なアプローチで知っていく学問です。——先生が文献学としての英語学に興味をもたれたきっかけは?——正直に言うと, 僕は中学・高校のときの英文法の授業が嫌いだったんですよ。小学生のときに, 『赤毛のアン』に出会い, 原書で読みたいと思いました。英文法は, 『赤毛のアン』を読むため, また, 英会話をするための道具でした。けれども, 中学や高校の英文法って, そもそも「何のために」という問いかけ̶伊藤̶伊藤̶伊藤

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