人文学部研究紹介2019-2020
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5主要学術研究業績所属学会と学会での活動経 歴研究から広がる未来と将来の進路●研究分野哲学・芸術論コース●准教授 三谷 尚澄西洋哲学,倫理学,分析アジア哲学,社会哲学哲学・思想論分野●現在の研究テーマ1.ウィルフリッド・セラーズとロバート・ブランダムという,20世紀/21世紀アメリカの哲学者を研究している。その中心的問いは,「現代英米哲学における「プラグマティズム」と「表出主義」という二つの大きな潮流が合流するとき,どのような哲学的展望が切り開かれることになるのか」というものである。2.「現代日本の倫理的・社会哲学的課題をめぐる市民論的考察」をテーマとする研究。これまでのところ,「現代日本に生きる若者たちの死生観」と「大学における哲学/人文学教育の意義」に関する二編の単著(『若者のための〈死〉の倫理学』および『哲学しててもいいですか』)を公刊した。そして,これらの成果に続く第3の業績として,「コミュニケーション能力とリーダーシップ」をテーマとする単著原稿を準備中である。3.13世紀日本の仏教思想家である道元と,20世紀日本の哲学者・西田幾多郎の思想について,現代西洋哲学との橋渡しを試みる研究を行っている。「高度の汎用性を有した思考のツール」としての「批判的・論理的思考」の能力と,他者にみずからの見解を否定されることを恐れず,他者と異なる考えでも自分自身の言葉で発信することのできる強靭な思索の習慣(勇気)の涵養を目指して授業を行っています。「市民的器量civic virtue」 を有した「世界市民」であれば,世界中のどこにでも,どのような分野にでも,自信をもって羽ばたいていけると信じています。【著書】 ◆ 『新・カント読本』 (共著:牧野英二編,第21章「カントにおける生と死の倫理」を担当),法政大学出版局,2018年   ◆ 『哲学しててもいいですか? 文系学部不要論へのささやかな反論』(単著),ナカニシヤ出版,2017年 ◆ 『若者のための〈死〉の倫理学』(単著),ナカニシヤ出版 ,2013年【論文】 ◆‘The World in which Everything is the Self’, in Jay Gareld (ed.), Wilfrid Sellars and Buddhist Philosophy, Routledge, 2019 ◆‘Picturing and Meta-linguistic Expressivism’ Naozumi Mitani, Contemporary and Applied Philosophy, vol. 8, n. 2 (Japan Association for the Contemporary and Applied Philosophy) , 2016 ◆‘The Return of the Dad: On Millikan-Brandom debate about the legacy of Wilfrid Sellars’, Shinshu Studies in Humanities, vol. 2, 2015日本カント協会,日本哲学会,関西哲学会,京都哲学会,関西倫理学会 ,応用哲学会京都大学文学部卒業(1997年),京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修退学(2002年),文学博士(京都大学/2006年),日本学術振興会特別研究員,カリフォルニア大学バークレー校客員研究員等を経て,信州大学人文学部准教授(2009年)

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