人文学部研究紹介2019-2020
37/40

35経 歴●研究分野日本言語文化コース所属学会と学会での活動主要学術研究業績研究から広がる未来と将来の進路日本語教育学,日本語教師養成日本語教育学分野●現在の研究テーマ1.日本語教師に必要な「日本語分析力」とは   日本語教師は,専門書や辞典などを使って日本語の勉強をします。   しかし,本などで学べることや解決できることにも限界があり,日本語知識の増強だけでなく教師自身による日本語分析も不可欠です。   教師にとって修得や向上が必要な日本語分析技術を探っています。2.日本語についてわかりやすく説明する技術とは   日本語分析だけでなく,日本語の表現や文型について外国人学習者にわかりやすく説明する指導技術も日本語教師には求められます。   例文を活用しつつ,日本語表現について学習者の理解を促進する説明のあり方を明らかにしようとしています。日本語教育学や日本語教師を専門的に学び研究することは,“わからない人にわからないことをわかりやすく伝える”技術の修得にもつながります。日本語母語話者にも外国人学習者にも日本語はわからないことばかりです。学習者の正確な理解を促す日本語指導技術は,日本語教師に限らず,日本語使用者として,また社会の一員として,重要な「ランゲージアーツ」ともなるはずです。・「映像化ストラテジーにより類義語の正用文から想起される『映像』の特徴―日本語教育経験者の例文分析過程からわかること」(『信州大学国際交流センター電子紀要』論文番号10,2015年)[共著]   例文から想起した視覚的イメージを言語化する「映像化ストラテジー」に着目し,日本語教育経験者が類義語の例文について描写する事がらの特徴を探った。・「日本語教師養成講座の受講者が行う類義語の言語特徴分析: 類義語の特徴説明に見られる傾向と問題点」 (『信州大学人文科学論集』第1号,2014年)   日本語教師養成コースの被養成者の類義語分析と言語特徴説明について,焦点化される言語特徴と分析手続きから傾向や問題点を示した。・「日本語教師の日本語分析技術を養成するストラテジートレーニング―独習型教材の開発」(小林ミナ・日比谷潤子編『日本語教育の過去・現在・未来 第5巻 文法』[第6章執筆],凡人社,2009年)   初心者の日本語教師を対象とした日本語分析ストラテジートレーニングの独習型教材を作り,その有用性と妥当性を検討した。 所属学会:日本語教育学会,日本教育心理学会,日本語教育方法研究会1998年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。信州大学人文学部講師(留学生専門教育教員),大月市立大月短期大学准教授を経て,2009年より現職。●准教授 坂口 和寛

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る