人文学部研究紹介2019-2020
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33経 歴●研究分野日本言語文化コース所属学会と学会での活動主要学術研究業績研究から広がる未来と将来の進路日本語史学,日本語学日本語学分野●現在の研究テーマ▼日本語の様々なシステム(音韻,文法,書記)とその歴史的変化の実態と要因を探るのが「好物」です。▼目下の関心課題は「日本語書記技術システム史研究」。平仮名の成立などについては,従来の常識的な見方に疑義を唱え,再検討を行っています。▼仮名の成立問題は日本列島だけではなく,大陸や半島を含めた東アジアで考える必要のあること,などの研究を公表しています。我々がこれまでに「常識」として受け入れてきたことの研究成果基盤には,必ずしも堅固ではない場合が少なくありません。▼現在は文字だけではなく「句読法」を含めた「書記システム」全体から日本語の書記方法変遷の実態と要因解明に向かおうとしています。▼世界で3種の文字(漢字・平仮名・カタカナ)を使用する書記形態をとっているのは,日本語くらいです。その歴史的必然や現代的意味の解明にも腐心しています。▼日本語の古辞書や,現代語のフシギの解明もやってます。(業績リスト参照)研究室で学んだ学生さんは,人文学部が最も重視する「実践知」が活かせる場,公務員,中学・高校教員,民間企業など多方面で活躍しています。 大学院(修士課程)に進学した上で更に分析能力に磨きをかけ,公務員,高校教員,民間企業で活躍する修了生や,更に他大学大学院(博士課程)に進学し,大学教員になる学生など多種多様です。【著書】山田健三解題(2017)単著『和名類聚抄 高山寺本』(新天理図書館善本叢書)八木書店山田健三(1994)共著『日本古辞書を学ぶ人のために』世界思想社,他【論文】山田健三(2018)仮名をめぐるターミノロジー(『信州大学人文科学論集』5(通巻52)号)山田健三(2017)和名抄にみる古点以前の万葉集(『万葉集研究37集』塙書房)山田健三(2016)草体漢字と字体標準(『漢字字体史研究〔二〕・字体と漢字情報』勉誠出版)山田健三(2015)「成立期の仮名」をめぐる日本語書記システム史上の諸問題(『日本史研究』639号)山田健三・奥瀬真紀(2014)敬語接頭辞「オ-/ゴ-(御)」の使い分け原理試論:ポライトネス理論の視点から(『信州大学人文科学論集』1              (通巻)48号)山田健三(2004)係り結び・再考(『国語国文』73-11)山田健三(1998)しほといふ文字は何れのへんにか侍らん:辞書生活史から(『国語国文』68-12),他所属学会は,日本語学会(平成25年6月~28年5月は編集委員(含査読委員)),日本言語学会,訓点語学会,日本方言研究会など。愛知県名古屋市出身。名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期。愛知女子短期大学人文学科(平成元年4月~3年3月),愛知学院大学教養部(平成3年4月~平成10年3月)を経て,平成10年(1998)4月より信州大学人文学部。平成21年4月より教授。平成29年4月より平成31年3月まで人文学部長。●教授 山田 健三

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