人文学部研究紹介2019-2020
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31経 歴●研究分野日本言語文化コース所属学会と学会での活動主要学術研究業績研究から広がる未来と将来の進路日本文学日本語学分野●現在の研究テーマ 寺社資料や伝承資料の調査を通して,中世(平安時代末~戦国時代)から近世(江戸時代)における,寺院勢力の変遷や,僧侶たちの学問のあり方を研究しています。 たとえば,諏訪地方の寺院資料や,文書,棟札,銘文などを見ていくと,諏訪地方では,まず天台宗寺院の活動が見られ,鎌倉時代後期になって禅宗が入ってくることがわかります。ただし,その活動は天台宗寺院にとってかわるほど大きなものではなく,やがて室町時代になると真言宗寺院が台頭,江戸時代を通して諏訪の地に君臨することが明らかになってきました。 また,僧侶たちは,勉強をするために,全国各地の寺院を巡りました。室町時代から江戸時代に残された資料を見ていくと,北は青森県から,南は鹿児島まで,僧侶の学問ネットワークが広がっていたことがわかります。古代から近現代の文学を研究し,教員を目指す他,寺院,神社,旧制高校などの調査で様々な資料の取り扱いに習熟し,学芸員を目指す卒業生も多数います。寺院資料調査と文学研究,仏教文学,(42):pp.4-8 2017(Apr. 30),単著ベトナム社会科学院所蔵・旧フランス極東学院日本語資料調査の経過報告-和装本資料群の特徴について,リテラシー史研究,(10):pp.19-25 2017(Jan. 20),単著善光寺(諏訪市)蔵『当寺記録帳』紹介と翻刻,信州大学附属図書館研究 , 6:1 2017(Jan. 99),共著真言宗以前-諏訪における鎌倉~南北朝期の寺院展開,三弥井書店 ,『諏訪信仰の中世』 , :pp.239-258 2015(Sep. 04),単著五十嵐日記 古書店の原風景,笠間書院 2014(Nov.),共著加持祈祷する僧侶たち,勉誠出版 , 小峯和明編『東アジアの今昔物語集』 , :pp.138-151 2012(Jul.),単著関東元祖俊海法印,竹林舎 , 阿部泰郎編『中世文学と寺院資料』 , :pp.476-500 2010(Oct.),単著2010- , 仏教文学会 , 委員2014-2016 , 全国大学国語国文学会 , 編集委員2007-2015 , 説話文学会 , 委員2005-2006 , 中世文学会 , 委員2002-2006 , 日本文学協会 , 委員1998- , いわき明星大学 人文学部 助手2002- , 信州大学 人文学部 助教授2015- , 信州大学 人文学部 教授●教授 渡邉 匡一

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