人文学部研究紹介2019-2020
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29経 歴●研究分野英米言語文化コース所属学会と学会での活動主要学術研究業績研究から広がる未来と将来の進路アメリカ文学・文化,映画学英米文学分野●現在の研究テーマ1.アメリカン・ドリームの文化学   アメリカの建国理念であると同時に近代啓蒙の理念である「アメリカン・ドリーム」が文学作品や映画作品でどのように表象されているかを研究しています。成果の一部が,杉野編『映画とネイション』(ミネルヴァ書房,2010)に収録されています。かなり前に出版予告されたままの学術研究書『ドリーミング・アメリカ ― アメリカン・ドリーミングの文化学』を完成することが目標です。2.F・スコット・フィッツジェラルドの長編小説における近代化および世俗化の研究   科研費基盤研究(C)採択の研究課題です。アメリカの作家のなかでもとりわけモダンとポストモダンとの境界にあると思われる,20世紀初頭のアメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説における近代化と世俗化(宗教の影響力の弱まり)を研究しています。まず,学術研究書『ギャツビーとモダン・アメリカ ― F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を読む』の刊行を近々に目論んでいます。アメリカを中心とする英語圏の文学や文化とくに映画を学びます。本物の英語はそう簡単ではなく,また英米をはじめとする英語圏は高等教育先進国であるだけでなく人口も多く,本国の研究を超えるのは至難ですが,がんばりましょう。// 大学院へ進学する学生もいますが,ジェネラリストとして就職する学生がほとんどです。就職業界は,マスコミ,製造業,公務員,金融,客室乗務員など多岐にわたります。・杉野健太郎編 『アメリカ文学と映画』,三修社,2019年夏刊行予定。   アメリカ文学の主要作品の映画へのアダプテーションを論じた論集です。杉野は,フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』のバズ・ラーマンによる映画を論じています。・杉野健太郎編 『映画とイデオロギー』,ミネルヴァ書房 ,2015年。   映画『イージー・ライダー』におけるイデオロギー対立の誕生を論じています。・杉野健太郎編『交錯する映画  アニメ・映画・文学』,ミネルヴァ書房 2013年。次のような学術概説書なども公刊しています。初学者のみなさまにおすすめします。杉野健太郎編 『アメリカ文化入門』,三修社,2010年。/諏訪部浩一編『アメリカ文学入門』,三修社,2013年[共著]。/Sugino, Kentaro. “F. Scott Fitzgerald in Japan.” The F. Scott Fitzgerald Society Newsletter. Vol.25 (2016-17), The F. Scott Fitzgerald Society, April 2017, pp. 18-21./『アメリカ文化事典』(2018年,丸善出版)[項目執筆]日本映画学会会長,日本F. スコット・フィッツジェラルド協会評議員,日本英文学会中部支部理事・大会準備委員会委員長,日本アメリカ文学会中部支部幹事を現在務めています。その他の所属学会は,アメリカ学会,F. Scott Fitzgerald Society,The Society for Cinema and Media Studies (SCMS),The Modern Language Association (MLA),日本映像学会,など。1961年岐阜県生まれ。上智大学文学部哲学科ならびに英文学科卒業。1989年上智大学文学修士(英米文学),1989年駒澤大学苫小牧短期大学専任講師,1992年広島大学総合科学部専任講師,1995年助教授,1997年信州大学人文学部助教授,2011年より現職。ウィスコンシン大学マディソン校,カリフォルニア大学バークリー校客員研究員を歴任。●教授 杉野 健太郎

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