人文学部研究紹介2019-2020
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8主要学術研究業績所属学会と学会での活動経 歴研究から広がる未来と将来の進路●研究分野哲学・芸術論コース音楽学芸術コミュニケーション分野●現在の研究テーマ1.音楽における東西交流史   主にトルコを中心とする音楽文化圏において,とくに19世紀から20世紀にかけて西洋化・近代化が音楽に及ぼした影響について,歴史的観点から研究しています。2.音楽の伝承とその過程   現代という時間軸において,音楽伝統がどのように伝承されていくのか,音楽をとりまく人,記憶,コミュニティなどをキーワードに検証しています。グローバルな観点からは,ドイツにおけるトルコ系移民の音楽の伝承について,ローカルな観点からは,信州,とくに松本の芸能と音楽(御柱祭の木遣りや神楽など)をめぐる伝承とその過程に関心を寄せています。音楽それじたいはもちろん,音楽を取り巻く文化や人々をも研究射程に入れる音楽学。実践的なアプローチに加え,言語や歴史学など他領域との接続によって,ローカルにもグローバルにも対応できる「知識と自分の言葉」を養うことを目指しています。こうした基礎力と実践力を身に付けた卒業生たちは,民間から公務員まで幅広い業種で活躍しています。【著書】 『トルコにおける「国民音楽」の成立』早稲田大学出版部,(モノグラフ83) 2013年。  ――トルコ共和国建国期において,「新しいトルコ音楽」創出をめぐって何が起こっていったのか。    そのプロセスを言説,制度,音楽の三つの視角から検証した博士論文をまとめたもの。 『トルコを知るための53章』(共著)(編)大村幸弘,永田雄三,内藤正典,明石書店 ,pp.222-232,2012年。  ――トルコ民俗音楽や共和国期に誕生した「新しいトルコ音楽」について紹介しています。【論文】 「トルコにおける『アラベスク』の誕生と展開」信州大学人文科学論集 2,pp.9-29,2015年。 「近代西アジアの音楽とヨーロッパ音楽との交渉:トルコを中心に」(共著,編集)他12名,柘植元一,植村幸生監修,国立情報学研究所 ディジタルシルクロード 音楽編,2015年。    http://dsr.nii.ac.jp/music/ 東洋音楽学会(東日本支部委員),日本音楽学会,地中海学会,日本中東学会東京藝術大学音楽学部楽理科卒業,同大学大学院音楽研究科修士課程を経て,2008年,博士後期課程修了。博士(音楽学)。東京藝術大学教育研究助手,早稲田大学助教を経て,2014年より現職。●准教授 濱崎 友絵口頭で伝承されてきたトルコ民俗音楽は,共和国初期時代を中心に五線譜化され,トルコ国民音楽の源典となっていきました。2017年のゼミでは,御柱祭の木遣りの調査をおこないました。写真は諏訪大社下諏訪町木遣保存会の方々とゼミ生たち。

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