農学部学部案内2019
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学生Voice●現在取り組んでいる研究テーマは?現在、抗生物質に対する耐性菌が増加する一方で、新しい抗生物質の発見は停滞しています。私は、抗生物質を生産する微生物 “放線菌” の性質を知ることで、新規の有用な抗生物質の発見につながる研究に取り組んでいます。●将来の夢は?健康維持や病気の改善に役立つような製薬開発に関わりたいと考えています。●農学部の雰囲気を一言で表すと?四季の移り変わりがとても楽しみなキャンパスです。学生の雰囲気ものびのびとしていて、周りから良い刺激をもらえると思います。●後輩へのメッセージをお願いします。農学部に来てから、外出することがもっと好きになりました。充実した大学生活を楽しんでください。放線菌は抗生物質に代表されるさまざまな二次代謝産物を生産する有用な微生物群です。応用分子微生物学研究室では、放線菌が潜在能力(潜在的な二次代謝産物生産能力)を発揮する仕組みを解明し、医薬品開発につながるような有用化合物を数多く見つけ出すことに取り組んでいます。左の写真はアカマツ林に発生した野生のマツタケ子実体、右の写真は実験室で作出されたマツタケ-アカマツの菌根外観(上)とその断面図(下)です。応用真菌学研究室では、マツタケの人工栽培化を目指して研究しており、人工シロ(マツタケ子実体が発生する土壌中のコロニー)の作出まで成功しています。生物有機化学研究室では、野外環境で丈夫に育ち、且つバイオマス生産性の高い藻類の開発に取り組んでいます(上図左)。改良した藻類は、休耕田など未利用地で栽培して、生産されたバイオマスはバイオプラスチック生産に利用したいと考えています。また、太陽電池による電気分解で生産した水素を利用して、二酸化炭素を固定するバクテリアの開発を行っています(上図右)。現在、新規バクテリアの探索や、タンパク質工学による改良を行っています。アミノ酸の発酵生産法は、世界に先駆けて我が国で発明された日本発の技術です。食品微生物工学研究室では、アミノ酸発酵菌のゲノム情報を読み解き、発酵の全貌を科学的に解き明かしたいと思っています。有用な遺伝子変異を組み合わせると、生育が格段に速くなった画期的な生産菌が創成できることを見出しています。10研究紹介野生型放線菌改造型放線菌青色抗生物質を生産する能力が眠ったままの状態潜在能力が目覚めて青色抗生物質を生産できるようになった状態Research 生命機能科学コース4年内田 牧歩さん(出身地/三重県)

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