研究紹介2019-2020
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31 野生資源植物学研究室 荒瀬 輝夫 准教授 帯広畜産大学大学院修了、京都大学大学院博士後期課程中退。民間企業を経て、2003年より信州大学農学部に赴任。博士(農学)、博物館学芸員。 フィールドにおける植物分類・生態、統計学関連の教育研究に携わる。 研究室所蔵の植物さく葉標本。北海道から九州まで、海岸・水域から高山に至るまでの植物を採集・保存し、教育研究に活用している。 ヤマブドウ果房の調査(右上)、マタタビ果実の調査(右下)。 富士北麓における植生調査のひとコマ(左)。 食用・薬用から緑化まで 野生の資源植物を学ぶ・活かす 野生資源植物学研究室では、樹木だけでなく草本・シダ植物も対象として、食用・薬用・緑化(植生回復)など「野生植物を資源として活かす視点」で教育研究を進めています。そのための基礎として、植物の分類地理・生態の把握と特性の評価に取り組んでいます。鳥獣害や種子散布者としての位置づけで鳥類なども研究対象としています。常に農学を意識し、広い視野で問題に取り組むため、普段から他研究室と連携していることも大きな特色です。 また、もともと農場・演習林を管轄する組織(AFC)にあったことから、これら学内フィールドの管理運営にも深く関わっています。 未利用・低い利用の野生資源植物の中には、すぐれた特性を有するものが数多く埋もれています。当研究室では、現在のところヤマブドウ・サルナシ・マツブサ・ウワミズザクラ(食用)、マタタビ(薬用)、陸生スゲ類(緑化)などを扱っており、採集・栽培・加工による地域産物化や、資源量の評価につながると期待されます。また、伊豆諸島の台風崩壊地に調査地を置くほか、大学構内に造成したビオトープを管理しており、長期にわたる調査をもとに緑化や植生回復の技術に一石を投じることが期待されます。 植物分類・植生調査・資源評価の知見と技能をもとに、自然環境関連の公務員、教員、食品・緑化・環境アセスメント等の業界で活躍することが期待されます。 研究から広がる未来 卒業後の未来像 森 林 ・ 環 境 共生学コース 森林環境生態学研究室 小林 元 准教授 専門分野:樹木生理生態学 信州大学農学部林学科卒業 九州大学大学院農学研究院修士課程修了同博士課程学位取得後修了 九州大学農学部附属福岡演習林勤務同北海道演習林勤務 信州大学農学部附属AFC演習林勤務 【研究室のテーマ】 ・樹木の樹冠構造と個体成長に関する研究 ・人工林の二酸化炭素吸収機能の評価に関する研究 ・人工林における施業効果の検証に関する研究 ・地球温暖化に伴う亜高山帯から高山帯にかけての炭素貯留 量の変動および森林動態予測に関する研究 ・樹木の成長を決定する環境因子の抽出とこれに応答する樹体 の生理メカニズムの解明 ・木曽五木の物質生産と環境応答機能に関する研究 ・立木の腐朽診断と被害発生予測に関する研究 ・木質バイオマス燃料の生産管理システムの開発 林業の発展と地球温暖化防止に貢献することを目的として、樹木の個体成長と森林の二酸化炭素吸収に関する研究を演習林を中心としたフィールドで行っています。 大学院進学(信州大学、九州大学、北海道大学、東北大学)公務員(長野県、山梨県、広島県)高等学校教員 企業(木材、製紙、商社、環境コンサルタント、土木コンサルタント、JA、アパレル、住宅製造販売、自動車製造販売、緑化)その他(森林組合連合会、森林組合、財団法人日本きのこセンター) 木を見て森を知る、枝葉にこだわる 手良沢山ステーションおよび西駒ステーションにおける卒業研究の風景 高山帯での他大学との合同調査(西駒ステーション) 研究から広がる未来 卒業後の未来像 森 林 ・ 環 境 共生学コース

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