繊維学部研究紹介_2018
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教員紹介渡辺研究室では、マイクロ化学チップを印刷で作製する技術の開発を行っています。マイクロ化学チップは、化学・生化学的な合成や分析を小さなチップ上で行う装置で、一般には半導体の微細加工技術に類似した方法で作製されます。しかしながら、このような方法では、多品種少量生産に向かないなどの問題もあります。渡辺研究室では、マイクロ化学チップのエンドユーザーが自らチップの設計をし、自ら作製できるよう、インクジェットプリンターを利用してマクロ化学チップを作製する技術の開発を行っています。プリンターは文字や写真を印刷するのによく用いられますが、もっと色々なことに使えると考えています。渡辺研究室ではマイクロ化学チップをインクジェットプリンターで作製する技術の開発を行っています。まだ初歩的な段階なので、将来的にモノになるかどうか(実用化されるかどうか)現時点では分かりませんが・・・。卒業研究の内容が、卒業後の仕事に直接的に役立つとは考えておりません。世の中には面白い分野が沢山あるので、卒業研究の内容にこだわらず、自由に仕事を選んで欲しいです。渡辺真志教授学部の卒業研究および大学院修士課程では有機合成化学に関する研究を行いました。その後、紆余曲折を経て、現在は高分子化学および化学工学に関係する分野を専門としています。マイクロ化学チップで2種類の液体を混合しているところマイクロ化学チップで油-水界面を通して抽出を行っているところ研究から広がる未来卒業後の未来像有機溶媒水水化学・材料学科応用分子化学コース印刷によるマイクロ化学チップの作製教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科応用分子化学コース機能性高分子ナノ微粒子を開発。ミクロな世界から機能をデザインする。鈴木研究室では、機能性高分子の開発に取り組んでおります。高分子微粒子一粒は、肉眼では確認できません。しかし、塗料やインキ、または先端材料の成分として、多くの製品に配合される鍵となる新素材です。私たちの研究グループは、「合成」「評価」「応用」全てを行える、機能性高分子微粒子の総合研究所を目指し、独自のコンセプトに掲げ研究を展開しています。創成した機能性微粒子を、最先端解析技術を駆使して、明確に評価したうえで、どのような応用が期待できるか、未来に役に立つ材料の開発を行っております。学生達には、自分の言葉で意見を述べ、世界で活躍できる人材になることを期待します。卒業生は、大学などの研究機関や、ゴム製品や塗料などの高分子材料を取り扱う化学メーカーへ就職し、活躍しています。鈴木大介准教授慶応義塾大学で博士(工学)の学位を取得後、ジョージア工科大学や東京大学での研究員、信州大学国際若手研究者育成拠点助教を経て、2013年より現職。専門は、高分子科学、コロイド科学、高分子ゲル微粒子。肉眼では識別できませんが、溶媒中に高分子ナノ微粒子が安定に分散しています。食品や化粧品などに応用されています。鈴木研究室では、誰も作ったことの無い、機能性高分子微粒子の開発を行っています。流行を追うのではなく、10年、20年後に世の中を変える材料を生み出すことが大切です。生活を豊かにする工業製品のみでなく、高齢化社会に備えた、次世代医療製品にも繋がるナノマテリアルの創造を目指し、世界中の研究者と討論を重ね、新しい学問体系の構築を目指しています。500 nm高分子微粒子は顕微鏡によりその構造を確認出来ます。合成技術を駆使することで表面や内部の構造を制御することが可能です。42

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