now114_web
16/20

159月15日、軽井沢プリンスホテルで開催された「第5回信州大学見本市・知の森総合展2018」の中で「水から産学官連携を考える」という興味深いパネルディスカッションが開かれた。パネリストは司会の信州大学と東京大学先端科学技術研究センター(クロスアポイントメント)の玉井克哉教授、東京大学先端科学技術研究センターの御厨貴客員教授、サントリーホールディングス(株)のコーポレートサステナビリティ推進本部・サステナビリティ推進部長の内貴研二氏。御厨氏から、「産業革命から蒸気船革命が起こり、天然の要害であった日本をぐるりと取り囲む海が、逆にヨーロッパからでも攻められるようになり、明治維新に繋がった。そこから富国強兵、近代化が進む。・・・」と我が国と水、そして政治・行政との深い繋がりを語られた。 内貴氏は「サントリーは水にこだわって歴史を重ねてきた。社の使命として「人と自然と響きあう」を掲げ、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、その生態系が健全に循環するように力を尽くすことを経営理念の最上位としている。また、水の循環という大きな視点から「工場で汲み上げる地下水よりも多くの水を生み出す森を育む。」活動を2003年熊本工場の涵養林で始め、今では全国20箇所9000ヘクタールに広がり、目標を達成。しかし、100年先を見つめ2倍の水を生み出す森を育てることに目標を上方修正し、信州大学を含め様々な研究機関の専門家とともに、調査研究し森を育てている」と。1973年の白州蒸溜所開設と同時に「愛鳥活動」がスタートしていたので、筆者は広報部配属当初からお客様にご案内する際「森の生態系のトップにはワシや鷹といった猛禽類がおり、彼らが生きていくためには小動物や小鳥の餌が豊富な環境が必要、それが豊かな森、土壌を育み、豊かな天然水が守られる、そこで森林公園工場という思想で建設されました」と説明していた。この頃からずっと森を大切にし「水と生きてきた」のだ。この白州蒸留所は、ウイスキーの他に南アルプスの天然水の工場としても有名だが、今回2020年までに長野県大町市に同社の天然水新工場が建設されるという発表があった。北アルプスの麓にも天然水の拠点ができる。きっと自然と共生し、天然水の森もまた広がるのだろうと期待している。1976年サントリー(株)入社、広報課長、広報誌編集長等を務める。1997年、デジタルCS放送局ジャパンイメージコミュニケーションズ取締役副社長就任。その後、日本農芸化学会広報委員、東京農工大出版会編集委員、等を歴任。日本旅行作家協会会員。広報コンサルタント(元サントリー広報部)信州大学広報スタッフ会議外部アドバイザー氏谷 浩志信州大学は学外の広報有識者に広報アドバイザーとして、広報活動への助言・指導など、多彩な協力をいただいています。 ⑧パネルディスカッションの様子。「水」をめぐるパネルディスカッションを聴いて東京大学先端科学技術研究センターの御厨貴客員教授(写真中央)、サントリーホールディングス(株)のコーポレートサステナビリティ推進本部・サステナビリティ推進部長の内貴研二氏(写真左)と。たまかついやみくりやたかしないけんじき

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る