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新しいチャレンジを続けることで世界が広がる。10浜野:留学に限らず、新しいチャレンジに二の足を踏んでしまう人も多いと思います。小平さんがオリンピックの主将を務められた時は即断できましたか。小平:じつは2回ほど断りました(笑)。最終的に「今の奈緒にしかできない役目だと思う」と結城先生に背中を押され、私の将来に絶対に役立つものになるとイメージできた時に「やります」と覚悟を決めました。浜野:オリンピックで活躍された後は、どんな反響がありましたか。小平:幅広い年代の方からファンレターをいただきます。子供たちの手紙に「今度は私が小平選手の世界記録を抜きます」などの決意が書かれていると、自分なりに大きなことを成し遂げられたんだなと実感します。浜野:舞台の場合はどんな反応が返ってくると嬉しいのでしょうか。北村:やはりパフォーマンスを見てくれた人から、「さっきの公演はよかったよ」と直接声をかけられるのが嬉しいですね。メディアの批評より、率直な一言の感想が励みになります。浜野:いろいろなところでリーダーに必要な条件を尋ねると、コミュニケーション能力という答えが上位に出てきます。お二人がコミュニケーションで心がけられていることがあれば教えてください。小平:相手も自分も前向きになれるコミュニケーションがいいですね。いい言葉を言おうとするのではなく、相手を傷つける言葉をなるべく使わないように気をつけています。北村:創作チームでは、お互いの能力を相乗効果にして舞台に出せるように徹底的に言葉をやり取りします。自分の考えを分かりやすく伝えることはもちろんですが、もしそこでコテンパンに叩かれても気にせずに、いいものを創っていこうというチームワークも大事にしています。浜野:最後に信大生の皆さんへ、これからのチャレンジに向けたアドバイスをお願いします。北村:学問に関しても、就職や仕事に関しても、ある枠組みの中に収まらずにもう一つ、やったことのないことに足を踏み込んでみてください。それが、数年後の大きな喜びにつながるはずです。小平:日常にチャンスはいっぱいあると思うので、ぜひアンテナを張ってほしいと思います。いろいろな人と出会ったり、考え方の違う友人をつくったりする中で、自分にできそうなことを見つけてチャレンジしていくと、世界が広がると思います。浜野:本日は素敵なお話をありがとうございました。いい言葉を言おうとするのではなく、相手を傷つける言葉をなるべく使わないように気をつけています。(小平)1998年早稲田大学大学院文学研究科修士課程舞踊専攻修了。1995年文化庁在外派遣研修員としてドイツに留学。モントリオールHOUR紙2005年ベストダンス作品賞受賞、第7回日本ダンスフォーラム賞受賞(2013)。2001年信州大学人文学部講師を経て現職。振付家・ダンサーとして活動しながら、人文学部にて教鞭をとる。北村 明子信州大学学術研究院(人文科学系)准教授会場風景、約230名の学生や市民が熱心に話に聞き入ったが活躍できる社会を考える」講義を一般公開レンジしよう担当教員の中島美帆准教授、「二人の素晴らしいロールモデルにならって、学生たちも前向きにチャレンジしてほしい」と語る
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