NOW110号
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長野県大町市の北アルプス・鹿島槍ヶ岳(南峰標高2,889m)の「カクネ里雪渓」が、長野県内では初の、また国内4例目となる氷河(カクネ里氷河)であることが確認されました。 「カクネ里雪渓」は、1930~1950年代にかけて地理学者による調査で氷河の可能性があると指摘されながらも、未確認のまま現在に至っていました。平成26~29年にかけて、信州大学を含む4機関合同の雪渓下の氷体に関する詳細な調査が行われました(※1)(調査団長は小坂共栄 信州大学理学部特任教授)。その結果が本年(平成30年)1月発行の日本地理学会学術誌「地理学評論、第91巻1号」に正式な論文として掲載され、学術的にもこの雪渓が氷河であることが確定したものです。カクネ里氷河を含む北アルプス地域の氷河や、その背景の自然環境に関する研究の進展が今後大いに期待されます。長野県内で初、国内4例目となる「カクネ里氷河」確認!(※1)カクネ里雪渓(氷河)学術調査団(構成:市立大町山岳博物館、信州大学理学部、富山県立山カルデラ砂防博物館、長野県環境保全研究所(50音順))(写真は調査団提供)中遠見山付近からのカクネ里氷河。背後のピークは鹿島槍ヶ岳北峰(2,842m)カクネ里氷河クレバス帯での氷河氷の調査信州大学などによる学術調査団(※1)14
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