医学科研究紹介_2017-2018
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25消化器癌の手術成績向上難治性肝疾患に対する移植医療研究・診療内容の概要外科学第一教室では、肝胆膵班、消化管班、移植・小児班の3班に分かれた体制で診療、研究を行っています。主な対象としている疾患は、肝癌、膵癌、胆道癌、食道癌、胃癌、大腸癌などの消化器悪性腫瘍で、手術治療だけでなく、診断や化学療法など、各疾患に対する治療を総合的に担当しています。移植・小児班では難治性肝疾患に対する生体肝移植、脳死肝移植を早くから施行し、良好な術後成績を得ている他、小児外科疾患に対する外科治療全般を担当しています。各グループごとに消化器癌の治療方法や移植、再生医療に対する臨床研究、基礎研究を行っています。研究内容の詳細については各グループのページをご覧ください。主な診療テーマ肝胆道膵悪性腫瘍に対する治療成績の向上進行胃癌や進行大腸癌に対する、拡大手術と抗癌剤治療を組み合わせた集学的治療胸腔鏡、腹腔鏡を用いた、食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、膵腫瘍に対する低侵襲外科治療小児、成人の難治性肝疾患に対する生体、脳死肝移植術小児外科疾患に対する外科的治療【教授名】 宮川眞一【疾患班名】 1.肝胆膵班 2.消化管班 3.移植・小児外科班外科学第一消化器癌治療と再生医療― 基礎から臨床へ ―肝胆膵 班(チーフ:講師 清水 明)外科学第一肝胆膵領域悪性疾患は手術による切除が治療の第一選択ですが、さらなる手術の安全性の向上や手術に伴う臓器機能低下の制御、術後補助療法として有効な新規治療法の開発など、取り組むべき課題はたくさんあります。外科学第一教室肝胆膵グループでは、再生医学技術の応用によって膵臓以外の臓器からインスリン産生細胞を再生する技術や肝再生を促す方法の確立、有効な化学療法治療法の少ない胆道癌に対する分子標的治療法の開発など、臨床医療への応用を目指して研究を進めています。・ 肝幹細胞を用いたインスリン産生細胞分化誘導による膵切除後内分泌機能不全治療ならびに1型糖尿病治療・ 胆道癌におけるAKT/mTORシグナル経路を介したsorafenib耐性機序・ ALPPS手術モデルにおける肝再生促進因子の同定と肝細胞と類洞内皮細胞との相互作用・ 臓器移植や組織移植を行わなくとも臓器機能低下の改善が可能になるため、より積極的な手術療法が可能になったり、手術の安全性が向上したりします。・ 手術や抗腫瘍薬剤による治療効果が不十分な肝胆膵領域悪性疾患に対して、新たな治療選択肢を提供することで治療成績が向上します。大学に在籍、あるいは国内外の先進施設に留学して研究を推進する、肝胆膵外科領域のspecialistとしての手術手技や資格の獲得を目指す、市中病院で消化器外科専門医として活躍する、などいろいろな選択肢があります。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像3次元培養技術で作成した膵島様インスリン陽性細胞集塊 (in vitro)遺伝子導入により肝組織内に発現誘導したインスリン産生細胞 (in vivo)

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