医学科研究紹介_2017-2018
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19アミロイドーシスのコンサルト、診断、研究、治療の総合センター!アミロイドーシス 班(チーフ:准教授 関島良樹)内科学第三アミロイドーシスは全身の臓器にアミロイドという異常な蛋白が沈着して臓器機能障害を起こす疾患で、診断や治療の難しい難病とされています。当科では、診断や治療などアミロイドーシスに関する全国からの様々な問い合わせや、検体の診断依頼に対応しています。また本邦で見られる主な2種類のアミロイドーシス、TTRアミロイドーシスとALアミロイドーシスについては前述の診断や各種コンサルトに加えて、先進的な治療や研究までを行う総合センターとしての役割を担っています。・遺伝性TTRアミロイドーシスに対する肝移植治療と薬物治療・ALアミロイドーシスに対する新規薬剤による治療法の確立・PiB-PETを用いた全身性アミロイドーシスの画像診断・アミロイドニューロパチーに対する神経生理学的研究・ レーザーマイクロダイセクションと質量分析を用いた稀少アミロイドーシスの診断アルツハイマー型認知症や2型糖尿病などのありふれた病気もアミロイドーシスの一病型です。アミロイドーシスの研究は、これらのより普遍的なありふれた疾患の病態解明や克服につながる可能性があります。Generalistとしても、アミロイドーシスのspecialistとしても活躍できる未来が待っています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像遺伝性TTRアミロイドーシスの原因であるトランスサイレチン(TTR)四量体の安定化に注目した新規内服治療薬の研究PiB-PETを用いた全身性アミロイドーシスの画像診断脳を診る! 読む! 探る!神経難病の病態解明から在宅ケアまで神経難病 班(特任教授 吉田邦広、山田光則、中村昭則)内科学第三ひとりひとりの患者さんの脳の中で何が起きているのか知るために分子遺伝学的、生化学的、病理学的研究を行っています。また、在宅療養を行っている患者さんのサポートのため、病院間連携やロボットスーツ、コニュニケーションツールの開発を進めています。信州大学医学部附属病院内で訪問診療を行っている唯一の部門です。患者さんを丁寧に診療し、積み重ねていくことで病気の原因や病態を解明し、治療法の開発に結びつけていくことを目指しています。今は“治らない”とされている病気も今後“治せる”ようになるかもしれません。・筋萎縮性硬化症・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症の分子病態の解明・失調性歩行に対する臨床評価とロボットスーツによる歩行支援・コニュニケーションツールの開発・改良(視線入力・脳波モニター)・長野県の難病医療ネットワークの構築疾患の分子レベルでの病態解明は、分子修飾薬の開発につながります。ロボット技術の医療応用は、動けなくなっていく神経難病患者さんが自分の意思で自由に動いたり言葉を伝えたりすることを可能にします。あなた次第で、いかようにも道は開けます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像移動支援ロボティック・ウエアcurara®とそれを用いた実装実験(鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院、信州大学繊維学部・工学部との共同研究)神経病理学的検索稀少アミロイドーシス診断に威力を発揮するレーザーマイクロダイセクションを用いた微小組織採取(図)と質量分析コミュニケーション支援:視線入力装置(上)と脳波モニター(下)

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