医学科研究紹介_2017-2018
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12子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)~未来のこども達への贈り物~「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を2011年より実施しています。日本中で10万組の子どもたちとそのご両親に参加していただく大規模な調査です。「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」と言います。赤ちゃんが13歳になるまで、定期的に健康状態を確認し、環境要因の子どもたちの成長・発達への影響を調査します。調査の結果、子どもたちが健やかに成長できる環境、安心して子育てができる環境の実現を目指します。胎児期から小児期にかけての環境因子の影響を調べます。・お母さんの妊娠の異常や赤ちゃんの奇形・赤ちゃんの発達障害や精神障害・赤ちゃんのアレルギーや肥満、糖尿病エコチル調査の結果にもとづき、子どもの成長や健康に影響をあたえる原因が明らかになります。明らかになった原因物質について有効な対策を立てることで、子どもたちが健やかに成長できる環境、安心して子育てができる環境の実現を、未来に向けて実現することができるようになります。・ 医学部を卒業後、衛生学、公衆衛生学の予防の領域で活動する医師になることができます。・調査結果を活かす小児科医や産婦人科医として活動ができます。・ 調査研究を行う研究者としての医師として大学教員や研究者になることができます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像衛生学公衆衛生学(教授 野見山哲生)【調査で明らかにしたいこと】子どもの健康に影響を与える化学物質などの環境要因と健康への影響を調査【調査の流れ】赤ちゃんが13歳になるまで調査を行い、成長発達に影響を与える環境要因を解明先天性疾患の原因遺伝子を探せ!すべては患者さん・ご家族の幸せのために!遺伝医学・予防医学教室は、附属病院遺伝子医療研究センターとタイアップして、ヒトの遺伝性・先天性疾患を対象とした研究に取り組んでいます。患者さんの症状を丁寧に分析し、次世代シークエンサーなど最新の遺伝子解析技術を用いて原因遺伝子変異を解明します。病気の原因が解明されることにより、これまで難治性といわれてきた遺伝性・先天性疾患の治療法開発につながります。私たちは、患者さんへのよりよい診療・遺伝カウンセリングのあり方に関する研究にも取り組んでいます。こうした包括的な研究を通じて、患者さんが健康的に、安心して暮らせる社会作りに貢献していきます。・ 遺伝性結合組織疾患の包括的研究、特にエーラスダンロス症候群古庄型 (Musuculocontractural EDS-CHST14)の病態解明、治療法開発研究・知的障害・自閉スペクトラム症・てんかんの遺伝子解析研究・マイクロアレイ染色体検査、FISH法を駆使した細胞遺伝学的研究臨床遺伝学の醍醐味は、たった1人の患者さんの丁寧な分析から、新たな疾患を発見できることです。遺伝子解析により、原因遺伝子が解明できれば、病気の成り立ちがわかり、根治療法を開発できるとともに、今まで全くわかっていなかった生物の普遍的メカニズムを説き明かすブレイクスルーになることもあるのです。医学部を卒業後、小児科など基本領域の専門医を取得していただき、その後、信州大学医学部附属病院を中心に研修を受け、臨床遺伝専門医を取得していただきます。大学院に入学し、国内外の研究室での基礎研究を勧めています。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像遺伝医学・予防医学(遺伝子医療研究センター     副センター長/准教授 古庄知己)エーラス・ダンロス症候群(古庄型)の発見!ヒトで初めて見出されたデルマタン硫酸生合成異常症!日本で最初の知的障害児専門の遺伝外来“ID外来”!細胞遺伝学研究、古典的手法から最先端技術まで!

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