2018環境報告書
33/54

32修士論文総合理工学研究科 工学専攻 水環境・土木工学分野(土木ユニット) 川田 幸広 機能性土系舗装の 物理・力学特性に及ぼす密度の影響と 高密度状態における凍結融解挙動機能性土系舗装は、保水性が高くヒートアイランド現象の抑制効果が期待され、適度な弾力性や衝撃吸収性も有することから、公園や歩道に多く適用されている。しかし、高い保水性のために凍害劣化が懸念されるものの、凍害劣化現象や耐凍害性の検討は十分に行われていない。本研究では、①機能性土系舗装の圧縮強度および保水性・吸水性と施工現場での管理が重要な密度の関係、②凍結融解時の変形挙動の定量評価について検討した。②凍結融解時の変形評価においては、凍害劣化の影響を顕著にするために乾燥室内において半年間養生した供試体に対して、上面に測点としてステンレス球を設置し(写真1)、供試体を水浸した状態の凍結融解過程において、X線CT撮影を実施した。得られた画像(写真2)を用いて供試体の高さおよび直径を測定し、凍結融解時の変形挙動の定量評価を行った。その結果、以下のような知見が得られた。X線CT画像を用いることにより、氷中から供試体を取り出すことなく、凍結過程における供試体の変形の測定が可能である(図1)。凍結過程において供試体は膨張変形し、直後の融解過程において膨張変形が回復する。回復量は膨張量よりも小さく、サイクル数の増加とともに膨張変形が蓄積する。本研究のX線CT画像を用いて凍結時の変形挙動を定量評価する方法は、凍害劣化現象や耐凍害性の検討に今後生かされると期待される。写真2 X線CT画像の一例図1 繰り返し凍結融解に伴う供試体変形の蓄積写真1 供試体上面の測点卒業論文農学部 食料生産科学科 田中 雄基 ニワトリ舌における 味覚受容体サブセットの分布味覚は動物が食物を選択する際に重要な要素のひとつであるが、食環境や食餌中の化学物質の影響を受け易い。これらの要因が味覚に影響を及ぼす過程を明らかにすることは、食環境の改善や新たな食品添加物の開発に繋がる。その基礎研究として本研究は、味細胞に発現するGタンパク質共役受容体であるT1Rファミリー(T1R1、T1R3)の局在とともに、味覚神経細胞での局在が知られているカルビンジン(CaB)及び、旨味を感知することができるカルシウム感知受容体(CaSR)の局在の確認をニワトリにおいて組織学的手法により行った。その結果、T1R1免疫陽性反応は、ニワトリ舌背側面及び声門の表層域に強く認められた。T1R3は声門粘膜下の腺細胞においてその基底側に強く発現していた(写真)。CaB免疫陽性反応は、T1R1と同様に重層扁平上皮全体に発現が確認された。CaSR免疫陽性反応では、声門の粘膜上皮に発現が認められた。これらの分布に日齢(1日齢~2週齢)による変化は認められなかった。味覚受容体サブセットが味蕾以外の組織に認められたことから、これらサブセットの味覚受容以外の役割が示唆された。修士論文/卒業論文

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る