2018環境報告書
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16現在の仕事に関して私は現在、総合電機メーカーである三菱電機株式会社の静岡製作所に勤めています。静岡製作所は“Eco Amenity”をキーワードに、私達の暮らしに身近な冷凍空調製品の開発拠点となっています。その中で、私が担当しているのは業務用エアコン室外機の設計開発です。一般的なオフィスビルにおける用途別電力消費比率をみると、空調機器が占める割合は48%と高く、省エネルギー化を図るためには空調機器の消費電力低減が必要不可欠であるといえます。空調機器の消費電力全体をみると室外機に搭載された部品が殆どを占めており、空調機器の省エネ性は室外機の仕様に大きく左右されるため、仕様決めはとても難しいですがその分やりがいがあります。また、節電のために設定温度を制限し、お客様の快適性を損なわせてしまうことは避けなければなりません。よって、新製品開発時は常に「省エネ性」と「快適性」双方を追求することを意識しています。具体的な仕事内容について簡単に紹介させていただきます。私が担当しているのは「機能設計」と呼ばれている業務です。CADで図面を書くような一般的にイメージされる機械設計の仕事ではなく、仕様の検討と実機評価が主な仕事です。まず、シミュレーション(気流解析・熱解析等)を実施し室外機に搭載されている圧縮機や熱交換器、部品の仕様を決めます。その後、実物を試作して評価を実施し、シミュレーションとのズレを修正することで精度を上げ、目標性能を満たした仕様の製品を作り込んでいきます。トライアンドエラーを繰り返し、目標性能を達成した製品を完成させたときの達成感は言葉では言い表せません。なぜこの仕事を選んだか就職活動では様々な企業をみて回りましたが、「ものづくりで地球環境に貢献」という軸はぶれませんでした。「地球環境への貢献意識」は環境関連の基礎・専門科目を幅広く学ぶことができる信州大学の教育カリキュラムにより育てられました。また、環境調和型ものづくり実習での風車製作では、「グループワークでアイデア出し→図面作成→風車製作→発電」という一連の流れを経験し、ものづくりの楽しさと達成感を実感しました。在学中、様々な実習を行いましたが、このときの実習が特に印象に残っており、職種選定の大きなポイントとなりました。大学生活は様々な経験ができる場です。様々な経験を通して、自分の「やりたいこと」に出会ってください。そして、出会った「やりたいこと」に信州大学で育んだ「環境マインド」をプラスして、将来は地球環境に貢献する社会人として一緒に頑張りましょう。長崎 野花・ながさき のか 2015年 信州大学大学院 環境機能工学専攻 修了2015年 三菱電機株式会社入社エレベーター5%OA機器16%照明24%空調48%その他7%一般的なオフィスビルにおける用途別電力消費比率出典:資源エネルギー庁推計業務用エアコン室内機「省エネ性」と「快適性」の追求環境と生きる人づくり(OB・OGの環境活動)三菱電機株式会社 長崎 野花さん特 集室外機

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