保健学科_研究紹介2017-2018
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―5―看護学専攻基礎看護学領域看護の技術は、artである!(フローレンス・ナイチンゲール) 看護は、古より身近にあるものでした。常に傍らにあって、身近にあり過ぎたために、あまり学問として考えられてきませんでした。その看護を、19世紀に、最初に看護学という学問として体系づけた人が「フローレンス・ナイチンゲール」であると思います。また、それ以来、看護の基本は「ナイチンゲール」にあると考えます。 現在も、世の中には身体的精神的に病める人が多くいます。 基礎看護学と看護教育学を専門とする中で、さらにいっそうナイチンゲールがいう看護を目指して、より看護実践に貢献できるような知識・技術・態度(姿勢)の向上のために、また、それらの教育方法について研究をしています。 ナイチンゲールが著した「看護覚え書」には、看護職者としてのみならず、医療従事者として、人間としての姿勢や心得えがわかりやすく述べられています。いかに時代が変わろうと、人間としての姿勢や心得えは変わりません。人間が病んだ時に求めるものも同じです。しかし、科学や技術の進歩により看護方法は変わりますので、よりよい方法を見出すことで、将来の充実した看護実践に貢献できます。 日夜研鑽を積み、さらに看護の知識と技術、態度(姿勢)を深めることで、臨床において、患者が求めるよりよい看護実践をすることができると考えます。また、看護は職業としてのみならず、日常でも十分に役立つものです。あるのは明るい未来のみです。基礎看護学研究から広がる未来卒業後の未来像フローレンス・ナイチンゲールNotes on Nursing(看護覚え書)聖トマス病院のナイチンゲール病棟ナイチンゲールの墓看護学専攻基礎看護学領域人との関係をつくり、病気を持ちながら、生活する人への直接ケアと自立支援 看護を実践するためには、患者さんや家族との信頼関係を築くために効果的なコミュニケーションを行うことが必要です。同時に看護を実践するためには安全・安楽を基本とした根拠のある技術の実践が必要であり、基本的技術を習得する科目を担当しています。また、難病患者に対しての身体的・精神的なケアにプラスしてスピリチュアルケアが大切であると考え、スピリチュアルケアの必要性と具体的なケアの方法について検討しています。難病患者の患者会活動に関わり、特に小児期の発症が多い、1型糖尿病(小児糖尿病)患者のためのサマーキャンプを企画・運営しています。これらを通して、医療的処置を必要とする病気を持ちながら生活する人の自立支援について研究しています。信州大学医療技術短期大学部看護学科卒業、同助産学専攻科修了、長野県公衆衛生専門学校卒業(保健師)、信州大学大学院人文科学研究科修了・修士(文学)栁澤 節子 准教授千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程卒業。広島大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程後期修了(保健学博士)。2004年信州大学医学部教授に着任。松永 保子 教授 コミュニケーションは患者-看護師関係を築くための基本であり、人間関係の基本です。改めて人間関係のあり方について考えることができます。また、発症数が少ない疾患を持つ患者さんの療養生活を支援することから、医療的支援を必要とする患者さんがより自分らしく生活できる社会となるために、必要な制度を含めて考えるべき課題はたくさんあります。 看護は専門分野も多く、病院をはじめ施設内看護から、訪問看護などの在宅看護、産業保健や学校保健など、多くの場所で看護の実践が求められており、先輩たちが活躍しています。まずは臨床現場に身をおき、自分がやりたい専門分野をみつけてください。基礎看護学研究から広がる未来卒業後の未来像看護技術「吸引」の学内演習。病院実習に行く前に、学内でモデル人形で看護の技術を練習する。声が出せない人とのコミュニケーション方法(透明文字盤)講義でも演習。1型糖尿病サマーキャンプ最後の夜のキャンプファイヤー。

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