保健学科_研究紹介2017-2018
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―20―対人円環モデル(左)と質問紙から対人円環モデルを作成している過程の一部(右)イギリスで精神医療サービスの視察をした時の写真援助者の方の関わりを振り返っているところ看護学専攻広域看護学領域安全・安心の精神科医療のために~当事者と看護者の相互理解を深める~ 精神障害は対人関係の障害とも言われており、治療においては援助者と当事者の対人関係が重要であると言われています。特に看護者は他の医療者と比べて当事者と関わる機会が多く、お互いに困難さを感じる場合も多くあります。そこで当事者と看護者の対人関係の中で何が起こっているのかを客観的に考え、相互理解を行うための研究をしています。現在は人が対人場面で行う行動の個人がもつ傾向(対人特性)を8角形で示す、「対人円環モデル」の精神科の援助場面での応用に関する検証を行っています。学生さんとは対人円環モデルは使用しませんが、演習や実習を通して対人関係上で起こっていることを一緒に考えます。信州大学医学部保健学科看護学専攻卒業後、国立精神・神経医療研究センター病院での病棟勤務を経て、2016年に着任。木下 愛未 助手 「対人円環モデル」は支配-服従と嫌悪-親和の直交する2軸の基本軸があり、それを基に8つの項目があります。この項目は対人特性を包括的に示すと言われています。これを利用して、当事者と看護者がお互いの行動の背景にある思いを振り返ることによって相互理解を促します。 このことから当事者と看護者が共にわかり合い、安心して、治療をしたり生活をしたりすることを目指しています。 卒業後、すぐに病院の精神科に看護師として勤務される方や精神保健を担当する保健師になられる方が、毎年数名おられます。病院の精神科にも救急病棟や、慢性期病棟、触法病棟、身体疾患を合併されている方が入院される病棟など様々あります。精神看護学研究から広がる未来卒業後の未来像これまで研究されてきた対人円環モデル研究の項目をまとめた図

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