工学部_研究紹介_2019_日本語版
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建築学科中⾕研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築環境工学は、エネルギーを少なく、快適に暮らすための学問です。建築と設備の技術は進化しています。適切に組み合わせることで、暮らしはよくなっていきます。また古い建物から学ぶことで、自然を利用した設計が広まっていくでしょう。卒業生は大手設備会社(設計、施工、研究所)や公務員に就職にすることが多いです。学生時代に学び方を身に着けて、世の中で着実に頑張っています。中谷岳史助教名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程を修了。大和ハウス工業総合技術研究所、岐阜高専建築学科を経て2017年から現職。専門は建築環境工学、博士(農学)。自然環境に配慮した省エネルギー設計に取り組んでいます。•建物居住者の熱的快適性と暑熱・寒冷について分析し、快適・限界と感じる温熱環境を検討しています。居住者の熱ストレスに対する適応能力の定量化が目標です。•主に古民家や集落などを対象とし、建物の熱・湿気やエネルギー消費を実験・計算します。長年かけて残されてきた建築から、現代の設計に利用することが目標です。⼈と⾃然に配慮した省エネルギー設計研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績研究キーワード建築環境⼯学・省エネルギー【先生の学問へのきっかけ】中学・高校時代は理科が好きで、特に物理に興味がありました。私の専門分野「建築環境工学」はかつて「建築物理学」とも呼ばれ、物理を利用して建築や暮らしをデザインする学問です。また「計画原論」とも呼ばれ、設計の基礎理論として発展してきました。最新建築や古民家を注意深く観察すると、沢山の物理現象を発見できるようになり、学ぶことがとても楽しいと感じるようになりました。•材料の熱・湿気物性の測定•室内環境の測定・計算•建物環境の測定・計算▽共同研究・木質塗り壁材の熱・湿気物性・ユニットハウスの熱・湿気物性・通気層を有する壁の熱湿気物性岐阜県次世代住宅普及促進協議会顧問(2013-2017),岐阜県次世代住宅塾プロポーザル選定委員(2013-2016),日本建築学会環境工学委員会環境適応モデルワーキンググループ主査(2015-)板壁や土壁の熱移動を明らかにする為の実大実験。板の間に10㎜毎に温度計を挟み、温度変化を詳細に把握。湿気物性(透湿率)湿気物性(湿気容量)建築材料を試験・計算し、建材会社の技術資料を作成温熱環境の計算(モデリング)温熱環境の計算(結果)工務店の独自工法を計算し、技術的裏付けと説明資料を作成▽外部資金•地球温暖化下にある日本の住宅温熱環境におけるアダプティブモデルの提案(科研費:若手研究B,2011-2012)京都竜安寺の庭を赤外線カメラで撮影。土と緑、建物で涼しい空間が形成土蔵合掌造古い建物には、自然を活用した機構が隠されています124

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