人文学部_学部案内2019
8/76

08From Professors研究室から1 | From Professors 1身体と身体のコミュニケーションから創られるダンス。信州大学人文学部  哲学・芸術論コース 准教授北村明子 Akiko KITAMURA伝えることの難しさから自分を学んでほしい。現役の振付家・ダンサーである先生が大学でされている授業はどのようなものですか? 学生はみんなダンサー志望なんでしょうか ?­­——ほとんどが「ダンサーになりたい!」という人ではないよね。授業では, 実際のダンス作品を見てもらって, 振付家の理論を研究したりする。例えば, 現代の振付家の中には, 有名なクラシックバレエの「白鳥の湖」を現代版にアレンジして, ダンサーをスキンヘッドにして, がにまたのぶかっこうな姿勢で歩かせちゃうなんていう人もいる。最初は, 見たことがないジャンルのせいか, 見方にとまどう学生も多いみたい。でも, どういう意図で作品が創られているかを読みといていくと, 今まで知らなかった美しさを発見するだけでは終わらずに, いろいろなものが見えてくる。­­——芸術への鑑賞眼を高める, みたいなことですか ?­­——何かを見て, 面白かった, つまらなかった, だけで終わってしまうのはもったいない。自分の感じたことに対して, 新しい言葉や, 思考回路を獲得していくと, 芸術作品の見方自体も変わってくる。自分の脳の中にある白地図に次々と道を書き込んでいくような作業をする授業ともいえるかな。そうやって「自分マップ」みたいなものを創っていってほしいな, と。­­——̶北村̶北村

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る