人文学部_学部案内2019
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301973年に愛知県豊橋市に生まれる。北海道大学で大学院を含め7年, さらに助手として6年を過ごす。 2005年4月, 信州大学人文学部に着任。著書に『ひですの経』八木書店2011年(豊島正之・折井善果と共著), 主要論文に, 「「落葉集」と活字印刷」『訓点語と訓点資料』110, 訓点語学会2003年, 「キリシタン版の連綿活字について」『アジア・アフリカ言語文化研究』76, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所2008年, など。From Professorsえるようになりました。そこで, 文献をスキャニングし, 数十万字ある文字画像をすべて切り抜き, 並べ替え比較して, 活字利用の実態を解明するデータベースを作成する, なんてこともしています。そのために, 研究室にはノートパソコンから四つのモニタに同時出力できる機材を整え, 展開した文字画像とにらめっこしています。これが研究と呼べるかどうか不安もあるのですが, なぜ, ここでこうした表現がなされたのかという理由を活字印刷の視点から解明できたときは, パズルを解くようで楽しいですね。印刷工房の作業工程の仮想的再現ですが, うまくはまるとその模様が手に取るように分かります。あ, ここで組版上の問題が起こって混乱したな, とか。そんなことは日本語学という学問にとっては本当に小さな事実ですが, 確実な事実を積み重ねることは学問にとって大切だと思っています。——ゼミの学生に一言お願いします。——むかしの書物が好きな学生になってほしいですね。それも, 書かれた内容だけでなく, それがどのようにして目の前にある書物となったのか, 作者, 言語, 文字, 印刷, 用紙, 装丁, 流通などの様々な側面をとおして, そうした書物がそこにあることの意味, つまり書物の歴史を考えてみるのはとても楽しいことだと思います。­­——­­——インタビュアー | 冨田竜介(4年:インタビュー当時)̶白井

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