人文学部_学部案内2019
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15From Professors研究室から3 | From Professors 3過去の経緯が分かれば、なぜいまそうなっているかが分かって、信州大学人文学部 歴史学コース 准教授佐藤全敏 Masatoshi SATOそれによって未来を変えられるかもしれない。先生が歴史学に興味をもったきっかけは?——実は最初は映画研究の分野に関心がありました。でも, 大学に入っていろんな本を読んでいるうちに, 科学哲学や思想, 文化人類学とか社会学とかに惹かれるようになっていって…。そんな時に「そうだ, 歴史学にいけば, 何でもできるんじゃないか」って。歴史学では, 時間軸にそって考えさえすれば, 社会も文化も何でも自由に研究できる。社会史, 文化史, っていうふうに…。あと, 大学に入って最初に好きになった先生が, 日本古代中世史を研究していたというのも大きかったかなぁ。進路で迷っていたとき, その先生のところに相談に行きました。「先生に出会ったという偶然で, 僕は日本史学を選んでいいのでしょうか」って。そうしたらね, その先生がこう言われたんです。「君の人生のなかで, これまで偶然以外で決まったことが何か一つでもあるのか?」。——かっこいい!——でもね, どの学問もそうだと思うけど, 本当に学問をやろうとすると, そのトレーニングがつらい。いま, みんなが演習でやっていることを考えてごらん。史料に長時間向き合い, その中から確実なかたちで情報を抜き取ってきて, それらを間違えないように組み合わせ, これまで知られてい̶佐藤̶佐藤

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