人文学部研究紹介
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15経 歴●研究分野所属学会と学会での活動主要学術研究業績研究から広がる未来と将来の進路心理学・社会心理学コース社会心理学,グループ・ダイナミックスコミュニティ心理学社会心理学分野●現在の研究テーマ 専門は社会心理学で,特に,地域や集団に所属することや,そこから離れていくことの心理的過程について研究しています。もともとは,集団への所属意識が高いがゆえに生じてしまう集団間コンフリクト,偏見や差別,ステレオタイプの問題を取り扱っていました。そこから派生し「場所」のもつ魅力が,移動すること(旅行や転居など)にどのような影響を与えるのか,また,どのような場所づくりを目指すべきなのか考えています。最近では,移動することとして,巡礼,登山行動へも対象を拡げており,これらの行為が自己過程に与える影響について実証的に研究しています。総合的に,人が場所とどのように関わるのか,その心のメカニズムを明らかにしていきたいと考えています。 地域や場所の問題を取り扱う中で安心できる場所についても考えるようになり,サードプレイスの機能,子どもの危険認知や安全意識の研究も行ってきました。それらを元にGISとWebデータベースを連携させた地域安全マップシステムの開発も行いました。また,写真を用いた調査法(写真投影法・PEN-A)についての開発・応用も行っています。人は,地域や集団から離れて生きていくことは出来ません。地域や集団と少しでも快適に関わる方法を知っていれば,より良く生きていくことが出来ます。まちづくりや組織作りに仕事として携わる上で役立つだけでなく,一個人として生きる上でも,これらの知識や経験は有益なものとなるでしょう。【論文】 「登山行動に関する社会心理学的研究」 関西学院大学社会学部紀要,120,167-180(2015) 「写真投影法による子どもの危険認知の把握」 コミュニティ心理学研究, 18(1),21-41(2014)  (日本コミュニティ心理学会 若手学会員研究・実践奨励賞 受賞) 「写真投影法による所属大学の社会的アイデンティティの測定」行動計量学,36(1),1-14(2009)  (日本行動計量学会 肥田野直・水野欽司賞 受賞) 「共有集団イメージ法を用いた集団間関係の解析の試み」実験社会心理学研究,48(1),1-16(2008)  (日本グループ・ダイナミックス学会優秀論文賞 受賞)【著書】 『コミュニティの社会心理学』 ナカニシヤ出版 (2013) 『集団間関係の測定に関する社会心理学的研究』関西学院大学出版会(2010) 『集団間関係の社会心理学 北米と欧州における理論の系譜と発展』晃洋書房(2010)【所属学会】日本社会心理学会・日本グループ・ダイナミックス学会・日本行動計量学会      日本質的心理学会・日本心理学会・日本コミュニティ心理学会・社会調査協会【学会役員】日本コミュニティ心理学会研究委員会委員広島県生まれ。2001年関西学院大学社会学部卒業,2006年 関西学院大学大学院社会学研究科単位取得満期退学。2007年博士(社会学)取得。先端社会研究所R.A.,関西学院大学社会学部助教,准教授を経て,2012年より現職。●准教授 岡本 卓也

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