農学部学部案内2018
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学生Voice●現在取り組んでいる研究テーマは?近年、藻類によるバイオ燃料が注目されており、それに向けた藻類の安定した供給が課題とされています。そのため、安価かつ大量に培養できる藻類を育種することをテーマとし、日々研究に打ち込んでいます。●将来の夢は?大学生活で得た、粘り強さと他者とのコミュニケーション力を糧に、社会に役立つ仕事がしたいです。●農学部の雰囲気を一言で表すと?農学部は、キャンパスに対して1学部であるがゆえに、同学年だけでなく、先輩後輩、そして先生とも話す機会が増え、自分の意見だけでなく、他者からの貴重な意見をうかがえる「人として成長できる」キャンパスです。●後輩へのメッセージをお願いします。伊那で楽しいキャンパスライフを送りましょう!放線菌は抗生物質に代表されるさまざまな二次代謝産物を生産する有用な微生物群です。私たちは、放線菌が潜在能力(潜在的な二次代謝産物生産能力)を発揮する仕組みを解明し、医薬品開発につながるような有用化合物を数多く見つけ出すことに取り組んでいます。左の写真は、アカマツ林に発生した野生のマツタケ子実体、右の写真はin vitro(実験室的)に作出されたマツタケ-アカマツの菌根外観(上)とその断面図(下)です。私たちのマツタケ人工栽培化研究室では、人工シロ(マツタケ子実体が発生する土壌中のコロニー)の作出まで成功しています。我々の神経伝達物質・アセチルコリンに代表されるコリンエステルは、人々の健康に役立つ新しい食品機能性成分として期待されています。最近、ナスにアセチルコリンが多量に含まれており、高血圧モデル動物の血圧を下げることを発見しました。ナスは栄養価の乏しい野菜とされてきましたが、予想もしなかった効果です。世界の成人の1/3以上が高血圧に苦しんでいます。ナスを原料とした高血圧予防に役立つ機能性食品の開発を目指して研究を行っています。アミノ酸の発酵生産法は世界に先駆けて我が国で発明された日本発の技術です。私たちは、アミノ酸発酵菌のゲノム情報を読み解き、発酵の全貌を科学的に解き明かしたいと思っています。有用な遺伝子変異を組み合わせると、生育が格段に速くなった画期的な生産菌が創成できることを見出しています。生命機能科学コース 10森嶋 菜摘さん 4年生研究紹介野生型放線菌改造型放線菌青色抗生物質を生産する能力が眠ったままの状態潜在能力が目覚めて青色抗生物質を生産できるようになった状態

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