農学部研究紹介2018-2019
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造林学研究室では、森林の持つ諸機能を適切に発揮させ、生態系サービス(=自然の恵み)を享受することを目的に、樹木の挙動や森林の動態を、立地条件との関係から長期的に調べています。森林生態系は巨大なバイオマス、複雑な空間構造、多様な生物の相互作用によって特徴付けられる生態系です。その振る舞いを科学的な観点から観測し、地球温暖化の影響や、間伐等の施業の影響を抽出することで、森林生態系のグローバルな役割を長期にわたって維持させ、より良い人間社会の構築に寄与させることを目指しています。本研究室は森林生態学の立場から、変動する地球環境のなかで、森林と人間との関わり方を考えるための研究を行っています。森林生態系を理解する研究や、森林生態系を制御する技術開発を通じて、循環型社会の創出に寄与できます。ターゲットとしている中山間地域は小さな自治体ですが、それは科学的な研究成果を政策に反映させ易いアクティビティの高いフィールドともなっています。森林生態系をモニタリングする能力、樹木の種を同定する能力、樹木の生き方を理解する能力が身に付きます。これらの科学的能力は、公務員や環境コンサルタントの分野において森林計画の策定と実行に活用されます。岡野哲郎教授九州大学農学部附属演習林(本部、北海道演習林)を経て2004年1月より信州大学農学部。広葉樹天然林の長期動態や、攪乱後の森林再生プロセスの解明と技術構築に関心がある。木質エネルギー利用にも関わっている。『自然の恵み』を持続的に享受する܆༂Ćఇ༂ԉԅइଅ強風で倒された樹木の周囲は明るくなり、そこでは後継樹が発生し成長すると言われるが・・・?長期にわたるモニタリングで解明する木曽の天然ヒノキ林を再生させるための技術開発。密生するササをどう制御するか-ヒノキ実生の発生を促すための重要な技術であるササで覆われ、ヒノキはごくわずかササを制御し、ヒノキ林が再生した܆ଅਇଅ研究から広がる未来卒業後の未来像܆・環境共生学コース܆ଅਇଅ造林学研究室では、森林の持つ諸機能を適切に発揮させ、生態系サービス(=自然の恵み)を享受することを目的に、樹木の挙動や森林の動態を、立地条件との関係から長期的に調べています。森林生態系は巨大なバイオマス、複雑な空間構造、多様な生物の相互作用によって特徴付けられる生態系です。その振る舞いを科学的な観点から観測し、地球温暖化の影響や、間伐等の施業の影響を抽出することで、森林生態系のグローバルな役割を長期にわたって維持させ、より良い人間社会の構築に寄与させることを、私たちは目指しています。私たちは森林生態学の立場から、変動する地球環境のなかで、森林と人間との関わり方を考えるための研究を行っています。森林生態系を理解する研究や、森林生態系を制御する技術開発を通じて、循環型社会の創出に寄与できます。私たちがターゲットとしている中山間地域は小さな自治体ですが、それは科学的な研究成果を政策に反映させ易いアクティビティの高いフィールドともなっています。森林生態系をモニタリングする能力、樹木の種を同定する能力、樹木の生き方を理解する能力が身に付きます。これらの科学的能力は、公務員や環境コンサルタントの分野において森林計画の策定と実行に活用されます。城田徹央助教北海道大学博物館産官学連携研究院等を経て2009年4月より信州大学農学部。人工林生態系の生物多様性創出、生態系サービスの制御、その地域活用を目的とした『人の関わる森林生態学』に関心がある。『自然の恵み』を持続的に享受する܆༂Ćఇ༂ԉԅइଅ人工林でも間伐により生物多様性を高められる。このような人工林は、より充実した生態系サービスを発揮できるが、コストも高い。山地帯から樹木限界までの植物分布は、20年前よりも標高50m上方にシフトしていた。森林は地球温暖化のセンサーになっている。研究から広がる未来卒業後の未来像܆・環境共生学コース31

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