NOW107_web
11/20

でャッチ!まみをあわせると…、「鳴ったぁ!」。ほぼ初めての体験に、子どもたちもとにかくうれしそう。できあがったラジオを手に、小学校4年生の奥川颯太くんは、「楽しかったです!いつもお母さんに『聞いていい?』と相談してラジオをつけているから、これで自分の好きな番組がいつでも自由に聞ける(笑)」とうれしそうに話してくれました。マイラジオを作ってからが、このイベントで最も大事な実習です。チームで協力し合いながら、屋外でFM電波をキャッチ、キャンパス内の地図を片手に教室から発せられる電波がどういった所まで届くのかを調査します。教室から発信されているのは、「臨時災害FM局」の電波。臨時災害FM局とは、災害時、被害状況や支援物資情報など、地域のより詳細で正確な情報を住民に届けるために開局される臨時の災害専用ラジオ放送局です。1995年の阪神淡路大震災の経験を踏まえて制度化され、これまで新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震など、甚大な被害をもたらした災害時にも大きな役割を担ってきました。その発信機を持つ地元ケーブルテレビ・テレビ松本が協力して、子どもたちの調査を応援します。班ごと屋外に出た子どもたちは、アンテナを高く持ち上げながらラジオから出る音に耳を傾け、地図上に音が聞こえた場所、聞こえにくかった場所を書き込んでいきました。調査を終え、教室に戻ってきた子どもたちは、それぞれの調査結果を班ごとに1枚の地図にしていきます。「どうしてここは聞こえづらかったんだろう?」「ここがしっかり聞こえたのは、なぜだろう?」そんな問いかけをしながら、子どもたちに電波とは何か、情報を集めることとはどういうことなのかを考えてもらいました。そして最後は、チームごと成果発表。「この場所は教室から障害物が無くて、だからしっかり音が聞こえました」「ここは建物があるから電波が回り込めなくて、聞こえなかったんだと思います」短時間のうちに、子どもたちはさまざまな発見をしたようです。小学校6年生の矢口遼馬くんは、「ラジオを作るのは難しかったけど、電池だけで動くから災害の時も使えると思いました。普段ラジオは聞かないけど、これで聞いてみようと思う」と元気良く話してくれました。「この経験を活かして、家庭で何を話すのかが一番大事。家の中にラジオはあるのかとか、もし災害が起きたときにどうするのかとか、子どもを通して家族で話してもらえたらうれしいですね。こうした電波の技術にも興味も持ってもらえたら」と不破教授。ぜひ、子どもたちにはこの経験を活かして、家族の、そして地域の防災・減災について考えてみて欲しいと思います!電波はどこまで届いてた? みんなで発表しよう!臨時災害FM局の放送が聞こえた!とテレビ松本ケーブルビジョンの共催をいただしたイベント「自作ラジオでFM電波キャッチ!」を受け取ることができ、災害時の迅速な情報伝達にを作り、電波を受信し記録する」という一連の体験を引率された保護者の皆さまも、お子様て喜んでおられました。(文・柳澤 愛由)10総務省信越情報通信局に協力いただいた臨時災害FM局の発信機。通称「臨災局」。アンテナを高く上げながら、「まだ聞こえてるよ」「あっ聞こえなくなった!」と、アシスタントの大学生と一緒にキャンパス内を巡り電波調査。調査結果は地図に書き込んでいきました。調査の結果をみんなで発表。自分の発見を自信を持って“熱く”語ってくれました。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る