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自作ラジオFM電波キ信州大学地域防災減災センターは現在さまざまな災害研究を行っていますが、その中でも災害時にしっかり機能する放送や通信を駆使した情報伝達システムの確立は重要テーマのひとつです。これまでも、国、自治体、メディアなど学外組織・機関と連携し、防災に関する情報通信ネットワークの構築を進めてきました。ラジオ放送もその手段のひとつです。今回、子ども達に体験してもらったカリキュラムは次のとおり。なかなか盛りだくさんな内容です。①まず、地域防災減災センター副センター長の不破泰学術研究院教授(工学系)が、「電波とは何だろう?災害時に役立つの?」をテーマに講義、電波の仕組みや、災害時にどのような役割を担っているのかを学ぶ。②その後「FM・AMラジオキット」を組み立て自分だけのラジオを作る。③次はチームを組んでの野外調査。キャンパス内を巡りながら、教室に置かれた「臨時災害FM局」からの電波をマイラジオでキャッチ。そして最後は、チームごとに成果発表する。講義を担当した不破教授の主要な研究テーマはICTを使った安心安全なまちづくり。どんな災害が起きても、放送や通信技術を駆使して生き残る情報伝達ネットワークを作り上げることです。「災害が起きた時は、多くの人に向け、一斉に、そしてより速く情報を伝える必要があります。その手段は大きく分けて2つ。放送と通信です。インターネットなどの通信技術は、みんなの所に届くまでにいくつもの中継装置を通ります。なので、どこかの装置が壊れてしまえば情報は届きません。それに情報を届ける相手が多くなると装置が忙しくなり、情報が届きにくくなってしまいます。でも、ラジオなどの電波を使った放送は、放送局さえしっかりしていれば、受信機で直接受信ができます。10人でも1万人でも、その速さは変わりません。だから『災害に強い』と言われています」普段の学校で勉強する内容とは少し違う雰囲気に、子どもたちも真剣な面持ち。インターネットによる情報収集が当たり前になっている現代だからこそ、ラジオ放送という手段の利点を考えていきます。続いて「電波とは何か」についての解説が行われました。不破教授の“講義”にじっと聞き入る子どもたち。電波について学んだ後は、いよいよラジオ作りです。キットの中に入っている基盤やコードを取り出したら作業開始! アシスタントの大学生たちも協力しながら“真剣に”作業を進め、四苦八苦しながらなんとかマイラジオが完成。スピーカーに耳を近づけ、つ小学生の視点で防災・減災を考えてみる災害と放送、そして電波の仕組みを学ぼう!マイラジオを作ろう! ちゃんと音は出るかな?主催者としてあいさつする地域防災減災センター長の菊池聡教授(写真左)と臨時災害FM局について説明する総務省信越総合通信局様(写真中)、送信機とアンテナを設置いただいたテレビ松本様(写真右)。防災・減災について学ぼう信州大学地域防災減災センターは、総務省信越総合通信局き、2017年8月19日、夏休みも最後の小学生高学年を対象と開催しました。ラジオ放送は、受信機さえあれば情報をリアルタイムに有用です。今回は総勢22名の子どもたちが「自分でラジオ通して、防災・減災を楽しみながら学んでいただきました。の夏休みの自由研究となる一石二鳥のイベントとあっ09このイベントを企画した学術研究・産学官連携推進機構の横山俊一研究員(写真左)と防災減災センター副センター長の不破泰教授(写真右)。
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