2017環境報告書
42/60

41信州大学の「環境マインド」教育は、単に理念や理論の教育だけではなく、教職員と学生が協力してエコキャンパスを構築し、その継続的改善という実践行動を通じて、環境問題に対する解決能力の育成を目指しています。本科学群は、私たちが暮らす信州の自然・文化的環境への興味や関心を深め、現代社会が直面している環境問題を科学的に理解し、また問題解決に向けて積極的な行動に結びつくことを目的にしています。 地球そのものや地球環境をめぐる問題を扱いますが、大気汚染や水質汚濁、野生生物保全、自然再生、資源枯渇、気候変動、原子力発電、廃棄物・リサイクル、地震予知などの個別の問題についても学びます。いずれの授業科目も基本的な人間と環境のあり方について考えます。 人間および環境の問題を、文化や芸術、倫理、ビジネス、心理、社会、国際協力などの多角的な視点からアプローチし、皆さんの視野を広げ、問題発見・解決能力を養います。環境問題を歴史という時間の流れの中で考え、地球環境と地域環境を相互に関連づけて捉えます。 環境への負荷の少ない持続可能な発展を維持し、循環型経済社会システムを構築するため、顕在化している種々の環境問題を早急に解決していかなければなりません。地球環境への負荷を減らす視点やライフサイクルの視点から、環境と科学技術の新たな関わり方を考えます。・環境社会学入門・熱帯雨林と社会・Low Energy Building(省エネルギー住宅)・環境~その人文・社会科学的アプローチ・ライフサイクルアセスメント入門・環境と生活とのかかわり・環境政策の社会学・環境問題のしくみ・環境科学入門・グリーンテクノロジー・環境配慮素材と自然エネルギー・エコ水車の開発と地域バイオマス利用・地球環境の歴史・循環型社会入門・環境とエネルギー・ネイチャーライティングのすすめ(環境文学Ⅰ)・環境文学のすすめ(環境文学Ⅱ)・自然環境と文化・環境法入門・環境管理会計・生物と環境・NHKビデオで学ぶ地球環境の歴史・自然災害と環境・ナノテクと環境・材料の科学と技術(基礎編)・材料の科学と技術(先端編)・人とすまい・水の環境科学・森林サイエンス・農山村と環境・環境と緑の文化・生活の中の科学「環境社会学入門」主な論点として、第一に環境問題の加害・被害構造、制度・組織の特性、第二に環境行動・運動の契機とその結果、集団行動の困難・障害、第三に環境の歴史・価値・思想、生業とのかかわり、などについて、世界中で起こっているさまざまな環境問題を例に考えていきます。また、環境社会学は、人間が作り出した環境問題の解決を志向する「行動する社会学」でもあります。                    「ネイチャーライティングのすすめ(環境文学Ⅰ)」自然や環境について語る際、自然科学的なデータや社会現象については情報があふれかえっているが、「こころの問題」として、つまり自分との関係で語ることはあまり多くないように思う。そこで本講義では、読書による個人的な文学体験を通じて自然や環境にアプローチし、自分との関係として環境に対する現実感覚を獲得していく。                     「Low Energy Building(省エネルギー住宅)」Buildings use over one third of all energy consumed in Japan, as in many other developed countries. In a world of increasing population and limited fossil fuel reserves, reduction in building energy consumption is important. As well as drastically reducing consumption, low energy buildings can be more comfortable, more healthy and less expensive over their lifetime. This course will introduce students to the principles, the practicalities, and the future of low-energy building.他の先進国と同様、日本で消費されているエネルギーの3割は、住宅で使われています。人口が増加し、化石燃料が限られてくる世界では、省エネルギー住宅が必要となります。エネルギー消費を減らすことで、居住者に快適で健康的な暮らしをもたらし、経済的負担が軽くなります。本講義では、省エネ住宅の仕組み、その実用性と将来について紹介します。環境科学群授業科目授業の概要022-1環境教育環境への取り組み信州大学の全ての学生は、共通教育科目の教養科目「環境科学群」から、必ず1科目(2単位)以上を履修します。環境科学群は、次の内容から構成されています。環境マインドの醸成

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る