2017環境報告書
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21環境教育への取り組み 私は信州大学理学部化学科を卒業して、松本市役所に化学職で入所しました。出身地ではない松本市に就職したのは、大学生活で住みやすい環境を実感していたからです。主な配属先は環境部局・上下水道局で、どの配属先でも環境との関わりが特に重要な部署です。現在は環境政策課に所属し、環境学習講座「エコスクール」の企画・開催、園児への環境教育、子ども用品のリユース事業などに取り組んでいます。エコスクールとは体験型環境学習講座のことです。例えば、「鉢伏山・二ツ山で鹿の角を探そう!」、「アルプスで『ライチョウ』に会いに行こう!」などの松本市の豊かな自然を感じる講座や、「ペットボトルから繊維を作ろう!」などの科学実験の講座があります。自然と親しんだり、実験教室に参加してもらうことで、環境への関心を深めてもらうことが目的です。環境学習講座の講師は元信州大学教授やジビエの料理人など幅広い経歴の方がいて、みなさん環境に対し熱い思いを持っています。松本市の自然環境・地域資源を守るために、未来を担う子どもたちを中心に熱心に教えていただいています。そういった方々と働くことができて、職員として本当に嬉しく思います。園児への環境教育では、松本市内の保育園全園約50カ所に出向き、「ごみの分別と食べ残し」をテーマにした説明を行った後、リサイクルのダンスを交えてごみの学習をしています。「ごみを分けることで新しく違うものに生まれ変わるよ。分けることで空き缶は、車に生まれ変わるんだよ。」と、リサイクルについて説明すると、園児はとても驚きます。 園児は家に帰ると保護者の方に習ったことをお話ししてくれるので、世帯まるごと環境啓発をするのと同じ効果が期待できます。園児たちがリサイクルや食品ロスについて理解することは難しいと思いますが、将来何かを学ぶきっかけになればと思っています。ヒトには酸素が必要不可欠ですが、酸素が毒になる生物もいます。主体によって、「環境」という言葉の意味は変わってきます。自然環境、生活環境など、環境といっても指すものは多岐に渡ります。松本市の自然環境は、いわば地域資源であり、経済的にも精神的にも、松本市民を支える重要な財産です。そんな松本市の環境を守るには、市民のみなさんが自主的に環境について考える必要があります。私の業務が、市民のみなさんの環境について考えるきっかけに少しでもなってもらえたらと思いながら、これからも業務に取り組んでいきたいと思います。環境と生きる人づくり(OB・OGの環境活動)松本市役所 堀井 南風さん園児への環境教育の様子特 集堀井 南風・ほりい みなみ2011年度 信州大学理学部化学学科卒業2012年 松本市役所入所・環境保全課配属(騒音・振動担当)2014年 松本市上下水道局上水道課配属(水質検査担当)2017年 環境政策課配属エコスクール「アルプスへ『ライチョウ』に会いに行こう!」現地学習会の様子

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