2017環境報告書
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10コンソーシアムの取り組みはまだ一年間に過ぎませんが、ESDの実践や交流を通じて、子どもたちだけでなく教員の意識も変わりつつある、確かな手応えを感じています。県内のユネスコスクール加盟校も11校に増えました。もともと環境学習や地域学習などの素地がある長野県では、ESDの視点を普及することで、ESD活動が急速に定着していくものと期待しています。持続可能な社会づくりの担い手や、それを育てる人材を育成することは、大学が教育機関として果たしうる最も大きな地域貢献のひとつです。コンソーシアムではこの重要なミッションに、多様なステークホルダーと協働しながら、引き続き全力で邁進してまいります。長野県内のユネスコスクール加盟校(2017年5月現在)校 種校 名小学校(5校)山ノ内町立東小学校高山村立高山小学校山ノ内町立西小学校山ノ内町立南小学校茅野市立永明小学校中学校(3校)信州大学教育学部附属松本中学校山ノ内町立山ノ内中学校高山村立高山中学校一貫校等(1校)文化学園長野中学・高等学校高等学校(2校)長野県中野西高等学校長野県長野西高等学校◦ユネスコエコパークとはユネスコエコパークは、世界遺産などと同様のユネスコのプログラムの一つで、豊かな自然環境や生態系を守りながら、その自然を有効活用し、地域や人間社会が発展することを目的としており、「自然と人間社会の共生」を実践するモデル地域として位置づけられています。現在、世界120の国や地域に669地域のユネスコエコパークがあり、このうち日本国内には9地域が登録されています(2017年6月時点)。長野県内には志賀高原と南アルプスの2つのユネスコエコパークがあり、さらに新規登録を目指す動きも複数の地域で進みつつあります。ユネスコエコパークには、生態系保全、経済と社会の発展、学術的研究支援(教育を含む)という3つの機能があり、その機能を発揮するために核心地域、緩衝地域、移行地域という3つのゾーニングが設定されています。単に優れた自然環境を保護するだけでなく、持続可能な開発(=地域づくり)を目指す事が、この制度の大きな特徴です。自然環境と調和した持続可能な社会の実現を目指すユネスコエコパークはESDのフィールドとして適しており、またESD自体がユネスコエコパークの理念を実現する手段でもあることから、その実践による相乗効果が期待されています。志賀高原ユネスコエコパークには、本学教育学部の附属施設である志賀自然教育研究施設(志賀施設)があり、教育や研究活動を行っています。日本で唯一、ユネスコエコパークの核心地域に隣接して立地するレジデント型研究機関(地域社会の中にあって、地域社会の課題に直結した研究を行い、その解決に貢献することを使命として意識している研究機関)である志賀施設は、ユネスコエコパークの学術研究機能の中核を担っており、地域の多様な主体と協働しながらユネスコエコパークの発展に取り組んでいます。志賀自然教育研究施設(右前の建物)。1966年に設置された当施設は、半世紀の歴史を持つ。建物の手前のエリアは、全域が志賀高原ユネスコエコパークの核心地域に指定されている。自然教育実習(志賀実習)。教育学部必修科目「環境教育」の一環で、1年生全員が受講する。この志賀実習は、1978年から続く教育学部の伝統である。日本のユネスコエコパーク

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