Shinshu University Social Responsibility Report 2016-2017
17/28

16SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2016−2017Local4地域と協働で課題解決-信州リビング・ラボ構想- リビング・ラボとは、「日常生活(リビング)を起点として、アイデア創出から商品化・政策化までの一連のプロセスを市民と協働で継続的に取り組む新しい産学官民の連携手法です。信州大学では、これまでよりも効率的・組織的に地域課題の解決に貢献できるよう、各研究者が構築したシステムやデータ、ノウハウを共有化できるプラットフォームとして信州リビング・ラボを構築します。このプラットフォームを用いて、メディカル・ヘルスケア商品の開発や防災減災に寄与する教育研究に市民や行政を巻込み、リアルなデータを取得しながら、市民の学びや企業の製品開発へのフィードバックを行います。74年連続で、大学の地域貢献度総合1位日本経済新聞社 産業地域研究所が、毎年実施している「全国大学の地域貢献度調査2015」(全国751の国公私立大学対象)において、信州大学は、2012年から4年連続総合1位となりました。信州大学は、キャンパスが長野県内4地域5か所に点在し、それぞれに地域との長い関わりを持っています。こうした関わりから、大学の活動を身近なものとして評価いただけたのではないかと考えています。今後も、各キャンパスの特色を活かした地域貢献を進めてまいります。8高度救命救急センター信大病院は全国に先駆け、2007年に高度救命救急センターに認定され、高度医療の緊急窓口として診療と教育にあたっています。本院は、ドクターヘリ基地と県内唯一の高度救命救急センターを有していることから、3次救急患者数は全国でも高水準です。ドクターヘリは山岳地の多い長野県では有効性が高く、2015年9月からはヘリによる新生児の搬送も開始しました。今後も全県・全国を視野に入れた診療体制の充実、救命率の向上に努めてまいります。9信州メディカルネットによる病院間のスムーズな情報共有信州メディカルネットは、地域に発生する診療情報を患者さんの同意のもと複数の医療機関で共有するネットワークシステムです。2011年から開始した本システムは、2016年3月現在、長野県内の19病院が診療情報を提供し、142の病院・診療所がその情報を参照しています。関連医療機関における検査、診断、治療内容、説明内容を正確に理解し、自施設の診療に反映させることによって、安全で高品質な医療の提供、地域医療の質の向上を目指します。5「地域防災減災センター」の設置2015年4月に、防災減災に関する専門組織として「地域防災減災センター」を設置しました。本学における防災減災分野の教育研究の推進、医学部附属病院と連携した災害時医療支援などを通して、地域に貢献していきます。信越放送(SBC)との連携プロジェクトも開始され、2016年9月に第一弾としてシンポジウム「あなたを守る!命を守る!信州『研究×報道』最前線」を開催しました。研究者と記者がそれぞれの立場から意見を交わすなどお互いの強みを活かしたイベントとなりました。今後も地域と連携しつつ活動を進めていきます。6信大病院医療救護班熊本地震被災地へ2016年4月、長野県からの要請により医師1名、看護師2名、薬剤師1名、事務職員1名からなる医療救護班を熊本被災地に派遣しました。救護班は阿蘇医療センターの指示を受け、各県から派遣される救護班の調整や被災地域病院の看護業務を行いました。5月には災害医療コーディネータ1名を派遣し、医療体制復旧に貢献しました。熊本地震で被害に遭われた皆様に謹んでお見舞い申し上げるとともに、今後も支援を継続してまいります。共同研究や連携協定、公開講座等イベント数などの多面的な指標に基づき、高い評価をいただきました。ドクターヘリの出動は通算2500回を超えました。(2011年10月~2016年10月)スムーズな情報共有が地域医療活性化の力となります。2016年9月開催のシンポジウムでは、防災グッズの展示も行いました。出発式が行われ、本郷一博病院長より救護班へ激励を送りました。 信州リビング・ラボは、2019年度までに10,000人規模のプラットフォームとなることを目指しています。信州メディカルネット協議会ホームページhttp://www.shinshu-medicalnet.org/

元のページ 

page 17

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です