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写真は平成27年10月7~9日、東京ビッグサイトで開催された国際福祉機器展でのデモンストレーションの様子。この展示会では毎年最新号機を展示しており、昨年は3号機と呼ばれる上肢下肢一体モデルを初披露しました。また、今回は従来の展示やデモンストレーションに加え、来場者に実際に装着いただくコーナーを設けたところ、連日予約が殺到し、身体の不自由な方はもちろん、多くの方の介護が必要となる超高齢化社会の到来が迫っていることを感じさせました。そして開発のベースとなるcurara®の現在人に優しい“着るロボット”特徴と機能のおさらい意外に知られていないのが上肢タイプ。curara®は上肢、下肢、上下一体型の3種類が存在する。もちろんコントローラー(背中のボックスユニット)も別々のものになる。もともと、ロボティックウェアの発想は10年も前(※バイオ系ロボット開発を始めた経緯は8Pの橋本教授のインタビューをご覧ください)の話になりますが、2010年に科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプの支援により本格的な開発が始まりました。その当時が「零(ゼロ)号機」と呼ばれますが、写真でご覧いただくとおり、当時は制御装置などは体に装着されておらず、固定式でした。その後、毎年、材質・制御装置など改良を重ね、現在の姿に進化しました。重量は上下一体型で制御装置も入れて約10kgの軽さを実現しています。これまで、この広報誌「信大NOW」でも何回か記事に取り上げてきた、話題の生活支援ロボティックウェア「curara®(クララ)」ですが、今回歩行アシストサイボーグ技術のベースとなることから、もう一度簡単に、その特徴と機能をおさらいしてみます。その特徴は大きく3つ。そのひとつが「同調制御法」で、動く、止まる、など、人の周期運動が作るリズムを利用してロボットを人に同調させる制御技術です。よってロボットにむりやり動かされる、ということがありません。また、座っている姿勢から起立する際に、屈曲動作から伸展動作へ移行するタイミングを判別し、同調性を除々に変化させて起立補助を行う制御方法も取り入れています。そして次が「相互作用トルク(力)検出法」。筋電電極の貼付が不要なセンサ技術で、人のわずかな動きも検知して、人に05上肢モデル下肢モデル開発の歴史零号機1号機3号機1号機零号機2号機3号機
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