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物繊維は、コレステロールが主原料である胆汁酸を体外に排出する働きもあり、体内のコレステロールを正常化するといわれています。水溶性食物繊維は摂りづらいも  信州リビング・ラボ構想とは、日常生活を起点に、アイデア創出から商品化までの一連のプロセスを産学官に市民を加えて協働で進める新しいオープン・イノベーションプラットフォームです。喫緊のテーマは「健康長寿」と「防災減災」。機能性農産物を産学官民で考える同講演会はこの構想の趣旨にふさわしく、パネラー諸氏それぞれの異なる観点から、もち性大麦の可能性が語られました。林 最初に、本事業に用いられる長野県オリジナル品種のもち性大麦「ホワイトファイバー」の紹介からお願いします。酒井 大麦はお米と同じように“もち”と“うるち”があります。ホワイトファイバーは、アミロース含量が約3%と低いもち性の大麦です。健康によいといわれる水溶性の食物繊維β-グルカンが豊富で、うるち品種の1.5倍~2倍も多く含んでいます。松岡 当社では、ホワイトファイバーを使った商品を通販サイトで限定販売しています。ホワイトファイバーは炊いた後で黒くならないという特徴があり、白くて、食べやすく、もちもち、おいしいと非常に好評です。また、お米は精白米にするとほとんど食物繊維が残りませんが、大麦は精白して削っても中まで食物繊維が残っているという魅力があります。林 「大麦を食べる」という観点では、どんなところが特徴になりますか。横山 私は今のところ玄米に入れて、ご飯としていただくことが多いです。玄米は白米に比べて血糖値が上がりにくいうえ、もち性大麦を入れることでますますいい主食になるというところが、いちばんの利点だと思っています。においもなく、食べやすいです。松岡 麦ごはんは、学校給食で10~15%位の配合だと思います。我々の経験では30%位入れると生理作用が体感できるということで推奨しています。給食ほどの量でもマイルドですが、ちゃんと効果はあると思います。食べ慣れていない方は少なめの量から始めて、徐々に増やしていくといった形でつきあっていただけるといいのではないでしょうか。林 医学的な見地からはいかがでしょうか。日高 配合については、人それぞれに合った食べ方があると思います。基本は過ぎたるは及ばざるがごとしで、やはり30%位が健康によく、食感も楽しめると思います。 食物繊維には不溶性と水溶性があり、不溶性はお腹の中の不要物を掻き出すという役割をもち、水溶性は脂質や血糖の吸収を抑制するといわれています。また、大麦に含まれるβ-グルカンなどの水溶性食「健康生活の達人教室」記念講演も行った料理研究家横山 タカ子氏株式会社 はくばく市場戦略本部開発部 研究開発グループ松岡 翼氏長野県農業試験場育種部長酒井 長雄氏長野県農業試験場育種部長酒井 長雄氏ホワイトファイバーにはうるち品種の約2倍のβ-グルカンが含まれる (酒井氏)水溶性食物繊維は脂質や血糖の吸収を抑制し、コレステロールも低減 (日高)長野県産のさらなる2016年度農林水産省「健康な食生活を支え(※1)2016年度「健康な食生活を支える地域・産業づくり推進事業」のう「長野県次世代ヘルスケア産業協議会」(構成:長野県、松本市、信州大学、※パネラーの皆様の敬称は略させていただきました2017年3月、信州大学松本キャンパスで『会を開催しました。信州大学や長野県など食生活を支える地域・産業づくり推進事業(着目して健康長寿につなげる事業テーマ学が目指す市民と共創で地域課題の解決ング・ラボ構想」の一環としても注目されて信州大学が進めるオープンイノベーションプラットフォーム、信州リビング・ラボ構想の一環で09

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