人文学部案内2017|信州大学
42/76
40Courses代史を主としていますが, 韓国や東南アジアなど中国以外の地域に関心を持って卒業論文を書いた人たちも大勢います。自分が勉強したいことを勉強する, その手がかりとなり, 助けとなるのがゼミだと思って下さい。̶日本史分野のキーコンセプトは「考える歴史学」です。高校までの日本史は, ただ教科書を暗記するだけのものでしかありません。しかも, あれほど一生懸命暗記した日本史の知識は大学では通用しないのです。なぜなら鎌倉幕府の成立は1192年ではないし, 江戸時代で最も有名な法令である慶安御触書は, じつは後世の創作だったりするからです。すなわち大学で学ぶ日本史学とは, 主体的かつ批判的に考え, 自ら発見するものです。日本史分野では, 過去の「日本」について学ぶことを通して, 現在の「日本」を相対化し, 未来への展望を模索する研究をおこなっています。歴史的には「日本」という枠組みは自明ではなく, 国境を越えた交流や諸地域固有の文化も存在します。「日本」を越える思考と, 内に諸地域社会の個性を考察する態度が必須となります。日本史分野のカリキュラムは, 演習や講義を通じて, 日本史に関する素養を獲得できるように構成されています。皆さんも信州大学人文学部で, 自分の頭で考える, 学問としての日本史学にふれてみませんか。◆比較文学分野は, 特定の言語と特定の国民文学に関する個別研究・教育を超えた「比較言語文化」の観点に立ち, (A)「西洋古典文学の垂直軸」と(B)「西洋近代文学の水平軸」として規定される, 西洋系の言語と文学に関する横断的な教育と研究, 及び(C)国際交流を通じて, (1)外国語の高い運用能力, (2)コミュニケーション能力, (3)論文を作成するために必要な批判的思考と作文の技術, (4)古今東西の様々な言語芸術作品に対する深い見識を磨くと共に, こうした成果によって, (5)現代社会を力強く生き抜く実践的な教養の養成を目指します。比較文学分野のカリキュラムは, その領域の広さゆえ, 人文学科の他分野からの大きな協力を前提としており, 他分野の科目も比較的自由に選択して卒業できるようになっています。̶¶日本史分野––––––––––––––––––––比較言語文化コース––––––––––––––––––––¶比較文学分野
元のページ