2015繊維学部研究紹介|信州大学
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西松研究室スポーツウエアの『着心地』と自動車シートの『座り心地』を数値化西松研究室では、様々な製品の『心地』の数値化に取り組んでいます。『心地』は、製品の種類やその使用環境によって“着心地”、“座り心地”、“歩き心地”などに細分化されます。このような『心地』を数値化するために、人間快適工学を用いて研究(“心地”の数値化、製品を使用しているときの動作解析、生理反応(筋肉への負担、ストレス度など)測定)を広範囲に行っています。研究室では、企業と共同で数多くの製品を開発して市販化。例えば、世界初の“しわになりにくいスーツ”、動きやすいゴルフウエア、座りやすい自動車シート、香る洗剤や柔軟剤、など。製品の『快適性』である“心地”の数値化は、繊維製品以外にも様々な分野で注目されています。カーインテリア(自動車シート、ハンドルの操作性、メーターの見やすさ)、建築インテリア(玄関ドアの開け心地、床の歩き心地、内装の外観)、ハウスホールド製品(洗剤、柔軟剤)にも求められています。このように、人間快適工学による研究は我々の身の回りの製品への応用が大いに期待されています。研究室の卒業生は、スポーツウエア、アパレル、織物加工、自動車シート、カーインテリア、建築インテリアの会社に就職して新製品の研究開発を担当し、活躍しています。西松豊典教授三重県工業技術センターを経て、1993年より信州大学繊維学部助教授。2000年より現職。主な研究分野は、繊維製品評価、人間快適工学、スポーツウエア設計工学。企業との共同研究で数多くの商品を市販化。ゴルフウエアの動きやすさを測定している時の実験風景腕にマーカーを付けて3次元の動作解析動きの解析先進繊維工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像動きやすくて着心地が良いスーツ(市販中)あらゆる動きに対応するゴルフウエア(市販中)大越研究室レーザー光線を使って高性能・高機能な合成繊維を作る大越研究室では、主に炭酸ガスレーザー光の照射による繊維の加熱を利用して、高性能・高機能な合成繊維を作り出すことを目指して、研究を進めています。合成繊維を製造する際、レーザー光を利用することで、生産の高速化、省資源・省エネルギー化に加え、直径が髪の毛の1/2000の繊維や直径や内部構造を精密に制御した繊維など、これまでは作れなかった高性能・高機能の繊維が作れることがわかってきました。これらの繊維は、医療、光学部材などへの応用が期待されます。より高機能・高性能の繊維を作り、その用途を広げるため、日々研究・開発に励んでいます。繊維は、もともと鋼鉄よりもはるかに強くて軽く、しかもしなやかに曲がり、表面積も大きい、高機能な材料です。最近ではより高性能・高機能な合成繊維が数多く開発され、航空機・自動車の機体や車体、人工臓器、光学機器、スポーツ用途等に使われ、軽量化や高性能化によって地球環境負荷の低減や人間生活の快適化に役立っています。特に日本の合成繊維企業は、多くの高性能繊維で世界をリードしています。卒業後の進路は、就職先として合成繊維企業をはじめとする素材メーカーを選択する学生が最も多いですが、繊維を使う側のタイヤメーカーや電機メーカー、評価する側の地方公設試に勤めた卒業生もいます。大越豊教授信州大学繊維学部助手を経て、2006年より現職。研究分野は繊維・フィルムなど高分子材料の成形加工、および得られた繊維などの光学物性や力学物性などの雑学。先進繊維工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像写真サイズ高さ9.8cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm

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