環境報告書2015|信州大学
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平成26年度農学部環境講演会を開催医学部地域保健推進センターの発足信州大学農学部 平成27年3月9日(月)-多様な連携協力を可能にして地域の保健活動を推進- 農学部では、平成27年3月9日(月)に11番講義室を会場として「平成26年度信州大学農学部環境講演会」を開催しました。地域からの参加者を含む約30名が聴講する中、認定特定非営利活動法人緑の地球ネットワーク代表 前中久行氏をお招きし、『中国黄土高原を再び緑に戻す はじめは失敗、植樹で相互理解が進む、植えるだけが緑化ではない』と題するご講演をいただきました。 前中氏からは、同法人が長年取り組んでいる黄土高原の東北端に位置する山西省大同市での緑化活動について、砂漠と砂漠化の違いを切り口に、自然環境や文化の違いによる弊害も乗り越えた、緑化活動そのものの本質についてご説明をいただきました。 緑化活動とは、木を植えることだけでなく、様々な視野を大切にその地域に住む人々の生活に寄り添っていくことが、成功への第一歩であるということを感じとれる講演会となりました。 信州大学医学部保健学科では、地域貢献の更なる推進を図るため、「信州大学医学部地域保健推進センター」を平成26年4月に発足しました。【地域保健推進センターのコンセプト】・保健分野での地域貢献を推進します。・様々な情報を発信し、学内関連部局、行政機関、保健医療福祉関連団体、関連職能団体、企業等との連携を図り、保健分野におけるニーズとシーズのマッチングと展開を行います。・学部生・大学院生を対象とした教育・研究活動、地域で活動している医療職者を対象とした研修・教育、根拠に基づいた実践を推進するための研究活動など、組織的な展開を目指します。・地域住民を対象とした研修や啓発活動を行います。【健康講座】 センターでは、市民の参加できる健康講座を、平成26年9月から12月にかけて、連続10回の講座で「健康寿命延伸を目指して」というテーマで行いました。毎回のアンケートを集計すると、満足72%、やや満足13%と好評で、自由記述には「ありがたい。ためになった。」「またやってほしい」という意見が目立っていました。 平成27年度には、昨年度に引き続き、健康講座の第2弾として、5月から7月にかけて「災害と健康」をテーマとする4回開講の春期プログラムを開催し、秋期プログラムも予定しています。【センター長から】 この1年を振り返ると、従来からの点と点をつなぐ活動が、センターを拠点に大きな面の活動となり、“見える化”してきています。 これまでも保健学科の教員は地域のネットワークと連携し、個々の専門性を活かして積極的に地域貢献に繋がる活動を展開してきました。 本郷実教授を中心としたグループは、若年層の生活習慣病を引き起こす大きな原因が小児期の肥満にあることを突き止めて、2005年から県内3つの中学校で生活習慣・生活習慣病の調査を行い「青少年のメタボリックシンドロームを考える会」を設立しています。中学校への出前講座や出前クリニックのほか、市民公開講座などの社会啓発・教育活動への積極的な取り組みが高い評価を得ており、2014年にはこれらの活動を基盤にして、松川村と地域連携協定を結びました。信州大学医学部としては初めての自治体との地域連携協定です。 他にも、松本地域におけるお産の受け入れ態勢の危機的な状況に対して、地域全体で分娩を支えられる画期的なシステムを行政や助産師などと共に構築したグループ、高齢者の運動機能を維持するために、各地で転倒予防教室などを開催しているグループなどのほか、地域の人々と共に行ってきた様々な取り組みがあります。それぞれの専門分野で構築してきたネットワークが、センターという拠点を介して協力・連携する歯車が動き出した時に、より大きな推進力農学部環境講演会地域保健推進センター地域社会への貢献についての取組み0449

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