環境報告書2015|信州大学
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学長メッセージ 信州大学では、平成13年の工学部でのISO14001認証取得を皮切りに、大学をあげてエコキャンパスづくりに取り組んで参りました。その後平成22年には全学でのISO14001認証取得に至りましたが、この間にも環境ISO学生委員会を中心とした環境マネジメントシステムの実行や推進、そして教育面では共通教育における環境科目の必修化や環境教育海外研修の実施、経営大学院を中心とした「グリーンMOT(技術経営)教育プログラム」の導入など、持続可能な社会の構築のために力を発揮できる人材を育成すべく、環境マインドの醸成に力を入れて参りました。 さらに近年では、研究面においても環境保全に関連する事業が進展しています。本報告書でも取り上げていますが、そのひとつが国家プロジェクト「世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点」です。これは信州大学、日立製作所 インフラシステム社、東レ、昭和電工、物質・材料研究機構、長野県が共同提案した構想で、平成25年10月に文部科学省と科学技術振興機構の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」の中核拠点として選定されました。世界の抱える水問題を解決し、世界中の人々に十分な水を提供するために、革新的な「造水・水循環システム」の構築を目指し、研究に取り組んでいます。このプロジェクトでは信州大学等が得意とする炭素材料・繊維材料等の研究開発成果と、長野県をはじめとする我が国のモノづくり技術を駆使して、研究開発から社会実装までを一貫して行います。十分な水を供給することにより、食糧生産量や衛生環境などで地球規模の持続可能性に貢献できるだけでなく、生産量が増大した農産物の輸出や、工業の発展などにより経済も潤い、世界の豊かな生活環境の創出に寄与することが期待されます。平成27年3月にはプロジェクトの中核施設となる信州大学国際科学イノベーションセンターが完成しました。国際的な研究施設を活用し、信州に根ざした取り組みの発信を目指します。 地球規模での環境破壊、資源の枯渇、人口増加などの問題のほか、エネルギー問題など、持続可能な社会の構築のために克服すべき課題は山積しています。そんな中、本学が取り組む環境マインド教育は、社会のグローバル化と相まって今後さらに重要となってくるはずです。 自然に恵まれた信州の地で、地球環境と人類文化との調和・共生の実現のため、大学として力を注いでいくと共に、皆さんの更なるご尽力を期待しています。2015年9月信州大学長 山沢 清人1

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