2015工学部研究紹介|信州大学
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環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像研究室で行われている研究の一部。核酸、タンパク質、構造、神経科学、微生物などを取り扱い、時には頭を抱える合成生物学の概念、我々人類は太陽神となれるのか。我々は分子生物学という最先端技術の羽を得て飛び出すが・・・⽚岡研究室片岡研究室では生命現象を理解した上で、生命システムを再構築することを目標に研究を行っています。例えばバイオテクノロジー展開の主役の細菌が、どのように遺伝的多様性を獲得し、環境変化に対応してきたかといった進化に関する基礎研究は、合成生物学と呼ばれる生命の再設計に展開されます。神経系のメカニズムの研究では、ヒトはなぜ思考するのかといった、哲学上の問題を科学的に解いたり、精神の恒常性メカニズムの研究は、様々な精神疾患や神経症の問題解決の糸口になることが期待できます。我々の研究をどんどん展開していくと、将来的に人為的に設計された微生物が生物工学分野の生産効率を大きく変えたり、石油流出事故などの際に環境浄化に大活躍したり、光合成の効率を飛躍的に上げたり、パンデミックに備えてワクチンの生産効率を飛躍的に上昇させ、ウイルスを征圧するなどの未来が来るかもしれません。また、脳科学をどんどん展開していくと、医療分野の他、ヒトがなぜヒトなのかといった哲学上の疑問解決に繋がるかもしれません。片岡研卒業生の活躍場所は、発酵工業をはじめとした食品産業、医療機器メーカー、化学メーカーなど多岐にわたります。生命科学の最先端研究で醸される徹底的に物事を行う哲学や、一流の研究者たちとの一期一会は皆さんの今後の人生にとっての宝となるでしょう。片岡正和准教授大阪大学工学部卒、大阪大学大学院修了、三菱化成生命研、国立小児病院小児医療研究センター、三菱化学生命研を経て現職。実績研究分野は合成生物学、応用微生物学、神経科学、ナノバイオなど多岐にわたる。⽣命が成り⽴つしくみを知り、⽣命システムを創造する67

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