2015工学部研究紹介|信州大学
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環境機能⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像高温蒸気タービンロータ材切欠部に生じたクリープクラックおよび有限要素解析による平均応力成分の分布(等高線)状況蒸気タービンブレード材表面に生じたつぼ形孔食の横断面SEM像0.5mm0.2mmX線光電子分光法(XPS)による材料表面の形成皮膜分析。皮膜の形成特性を調査して材料の耐食性評価を行う⽜(にゅう)研究室脱原発の世論が強まってきた今、地熱などの自然エネルギーを用いる発電の導入や拡大が必要です。化石燃料を用いる火力発電に対してもなお一層の熱効率の向上による燃料使用量の低減、環境負荷の軽減および安全性・信頼性などが求められています。牛研究室では、地熱および火力発電プラント蒸気タービン材料やボイラ機器材料の各種腐食破壊機構を解明し、材料の耐食性向上に関する研究を行っています。また、火力発電プラント高圧蒸気タービン材料について、高温・長期間の過酷な環境における耐久性向上のための微細組織化やクリープ強度に関する研究も行っています。現在、将来とも文明を支えるもっとも重要な構造材料は金属材料です。牛研究室では、鉄鋼材料を主として金属材料の強度特性、耐食性、耐熱性およびさまざまな破壊挙動に関する基礎的および応用的な研究を行っています。勉強はもちろん、実験、分析、計算、討論ならびに学会発表等を通して金属材料関連の知識および実践能力を身につけます。将来、技術者や研究者として社会に貢献することが期待されます。卒業生は、材料、機械、自動車、電力、電機などの関連企業で、研究開発、設計、生産管理など多くの分野で活躍しています。また、公務員になった方もいます。牛立斌准教授信州大学工学部助手、助教授を経て、2007年より現職。材料環境強度学の分野において、プラント機器材料の高温強度や耐食性等の関連研究を行っている。発電プラント(地熱・⽕⼒等)機器材料の環境強度特性向上、安⼼な発電を⽬指す!卒業後の未来像研究から広がる未来藤井研究室藤井雅留太助教博士(工学)名古屋大学2012年4月-2013年9月秋田県立大学助教2013年10月-現在信州大学助教専門:計算力学、計算科学、最適設計研究で使用する計算機と無停電装置光の⾼度解析とトポロジー最適化最適設計により得られた光学クロークとその周辺の電磁場環境機能⼯学科藤井研究室では大型計算機によるコンピュータ計算を駆使し,光の大規模解析および光デバイスの最適設計に取り組んでいます.光散乱を数値的に解析することで,複雑な構造内での光の挙動を明らかにし,さらにその解析結果からデバイスの性能を最大化する構造を設計することができます.その結果,これまで明らかではなかった光に関する様々な現象の発現メカニズムが明らかになり,従来では実現することの困難であった性能を有するデバイスを創成することが可能となります.その1例が透明マント効果を実現する光学クロークと呼ばれる光デバイスです.光学クロークは物体による光散乱を抑制するよう,光の流れを制御することで,物体を不可視にすることができるデバイスです.我々の研究室ではトポロジー最適設計により光学クロークを設計することにより,物体よる光散乱はほぼ0となり,高性能な光学クロークを設計することに成功しました.解析においては鳥・蝶などのの羽に見られる生物学的なフォトニック結晶による発色「構造色」と,不規則構造内での光局在を利用した「ランダムレーザー」の光学特性の解析に関して研究を進めています.構造色の研究では発色に必要な構造因子の特定と,得られたスペクトルからディスプレイ上での構造色の再現を目指します.また,ランダムレーザーの研究においては発振のメカニズムの解明と省エネルギーレーザーに必要な構造を明らかにします.また,トポロジー最適化においては光学クロークをはじめ,無反射構造,ウィスパリングギャラリーモード共振器レーザー,スーパーレンズなどの最適設計法の開発と、それら光デバイスの高性能化(広周波数帯域化,広角入射への対応,3次元構の設計),および設計された構造を3Dプリンタを用いた実際のものづくりを目標としています.インフラ・メーカーをはじめとした様々な分野へ就職しています.数値解析・設計のできるエンジニアは稀少なので,今後も需要はのびて行くと予想されます.62

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