2015工学部研究紹介|信州大学
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並列マシン:今後、ソフトウエアの効率化において重要な役割をなす。計算を行うための多数の装置を持ち、分担して計算を行う安全な検索システム:鍵をもつ正規利用者だけが、暗号化されたデータサーバにアクセスし、データを検索することができる情報⼯学科⼭本研究室研究から広がる未来卒業後の未来像画像合成によるノイズ除去。フラッシュ画像(左)の模様とノンフラッシュ画像(中央)の色合いを合成して作り出された画像(右)写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm人間の知覚に近い画像の作成。撮影された画像(左)から被写体部分を検出して(中央)、背景をぼかして被写体を際立たせる(右)写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm情報⼯学科⽩井研究室研究から広がる未来卒業後の未来像山本研究室では、より安全で効率的な検索を行うための基本技術の開発を行っています。社会の情報化が進むにつれ、大量のデータが電子化され、コンピュータに保存されるようになってきています。このような大量のデータから目的のデータを探すためには、効率的な検索技術が必要です。また最近では、個人情報など他人に知られたくない情報を扱うことが多くなってきているため、このような情報を保護しながら検索する技術も重要になってきています。研究室では、効率的な検索を行うための技術、安全性に配慮した検索を行うための技術に関する研究を行っています。山本研究室では、安全で効率的な検索技術の開発に取り組んでいます。情報化社会では、電子データの量が増加する一方ですから、このような検索技術の発展は未来の情報化社会を支える重要な基盤技術となります。特に最近、個人情報の漏えいなど安全性を脅かす事件が発生しており、安全で効率的な検索技術は欠かせません。そのため、同研究室では新たな技術の開発に取り組んでいます。情報化はあらゆるところで進んでいるため、卒業生は、IT企業、電機メーカなどに留まらず幅広い分野で活躍しています。山本博章教授東北大学大学院博士課程修了後、東北大学電気通信研究所、山形大学工学部を経て1988年より信州大学工学部に勤務。2003年より現職。研究分野はアルゴリズムの開発、情報検索、情報セキュリティ。画像処理にはノイズを除去する以外にも、まだまだ解決すべき問題が山積みです。ボケた画像を元に戻したり、影や光の反射で見難くなった部分を戻したり、ガラス越し写真の映り込みを消したりと、どれも難しい問題ですが、解決できれば、今よりもさらに綺麗な画像が得られます。得られる画質が向上すれば、その応用分野である画像認識を用いた防犯セキュリティーシステムや、ロボットによる人間の代理行動などの精度も向上していくと考えられます。画像処理というとカメラメーカーを連想しますが、画像処理や画像認識の需要は産業界全体に広がってきていて、電機メーカーや車メーカー等に卒業生を排出しています。また、ゲーム業界などのエンターテイメント分野に進む卒業生もいます。白井啓一郎助教慶応義塾大学博士課程を経て、2006年より現職。研究分野は画像処理や3D形状処理といった多次元信号処理。安全で効率的な検索技術を求めて暗闇や逆光でも綺麗に撮影。失敗しても後から修正夜の星空やホタル舞う幻想的な景色を撮影したけど、思うように写っていなかった。そういう経験はありませんか?暗い場所での撮影は難しく、ノイズが発生しやすくなります。一方、フラッシュを使えば写りはするものの光量の調整が難しく、景色の色合いは白く薄れがちです。でも画像処理を使えば、フラッシュ画像の模様と普通に撮影した画像の色合いを合成して、綺麗な画像を作り出すことが可能です。白井研究室では、人の目で見た景色の「画質」や「臨場感」の再現を目的として、画像処理の研究を行なっています。60

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