2015工学部研究紹介|信州大学
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情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像ペンで手書き入力されたフローチャート(流れ図)や楽譜をコンピュータが逐次自動認識後、整形・出力するシステムである写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cmスマートフォン上でのタッチ入力を用いた類似画像検索システム。緑矢印の方向にタッチすると、画像群がらせん状に回転する写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm宮尾研究室宮尾研究室では、タブレットPCやスマートフォンなどで使われているペン入力やタッチ入力の情報を活用した研究を中心に行っています。例えば、ペンで手書き入力された文字・記号・図形をコンピュータで逐次に認識・整形したり、以前に入力した情報を検索する手法について研究しています。また、タッチ入力された情報を用いた研究では、そのジェスチャ(タッチした複数の指の動き)の登録・認識を行ったり、それらの技術を用いたプログラム開発を行なったりしています。なお、宮尾研究室は丸山研究室と合同で研究活動を行っていますので、そちらもご覧ください。コンピュータに対する、ペンやタッチを用いた情報入力システムは、今後ますます増えてくるでしょう。同研究室が考えているのは、これらの入力システムが人間の創作活動を助けるものにならないだろうか?という点です。例えば、アイデアメモを筆記している時、作曲活動で楽譜を書いている時、コンピュータがこれらの創作活動を援助してくれるようになると便利です。同研究室の技術は、こんな時に役に立つはずです。ほぼ半数の学生が大学院に進学し、残りの学生が就職しています。就職先はソフトウェア開発関連、電機メーカー、ゲーム関連会社など多岐にわたります。同研究室で学んだ問題解決能力は、どの会社に行っても活かすことができます。宮尾秀俊准教授1991年より工学部情報工学科助手として着任。1998年、在外研究員としてワシントン大学にて研究活動。2004年より現職。研究分野はパターン認識・音楽情報処理・ヒューマンコンピュータインタラクション。ペンとタッチの情報処理〜快適な創作活動環境の構築を⽬指して〜藤原研究室情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像「スキーレンタル問題」は、例えばモバイル端末において「1分操作がなければバックライト消灯」などのモードを選ぶことと表裏一体。「ビンパッキング問題」は、理論計算機科学の重要なトピックであるだけなく、ロジスティックや分散処理などに幅広い応用がある。先のことは分からないが、今、行動を決めなければならないことがよくあります。日常生活のみならず、経済活動、ひいてはコンピュータの管理や設計においてもです。「スキー板はレンタル?買ってしまう?」「次々と荷物がやってくるが、配送トラックにどのように詰めるべき?」先のことの情報があれば、それを基づいてうまい行動がとれます。しかしながら、「一寸先は闇」といっていいほど予測がつかない事例も少なくありません。藤原研究室ではそのような事例の本質を突き止めたうえで、それに対する「戦略」や「アルゴリズム」を研究します。まず研究の目指すところは、「一寸先は闇」といっていいほど将来の情報が非常にとぼしい状況において、現時点での最も良い選択肢を導くための「戦略」や「アルゴリズム」を設計することです。さらには、「先が分かる場合」と「先が分からない場合」の間にある、未来情報の価値の本質を解き明かします。藤原研究室では、何よりも、問題解決能力を徹底的に磨き上げます。ただがむしゃらに問題に取り組むのではなく、まずは準備として直面する問題の本質を調べ上げ、そしてどんな道具が使えるか、あるいはどんな解決法が適しているのかを理路整然と考え抜く総合的なスキルを鍛えます。藤原洋志准教授京大大学院修了後、関学大博士研究員、豊橋技科大助教を経て、2014年より現職。その間、ドイツフライブルク大客員研究員、中国電子科技大招聘副教授。博士(情報学)。専門はアルゴリズム理論ならびに最適化理論。⾒えない未来の攻略法59

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